小樽市祝津3にある旧青山別邸が、国の有形文化財に登録されることが分かった。
この建物は、明治・大正を通じて鰊漁で巨万の富を築き上げた、祝津の鰊漁網元・青山家の2代目政吉が、1923(大正12)年に建てた別邸。木造2階建て。屋根は、銅板や瓦葺き。6畳から15畳の部屋が18室あり、細部に春慶漆塗を施している。
1918(大正7)年に建築を始めたが、翌1919(大正8)年に、前浜の本邸番屋が焼失。この再建を優先したことから、完成までに6年もかかったという。1985(昭和60)年に小樽市指定歴史的建造物3号の指定を受けている。
建物を所有する小樽貴賓館(祝津3・佐藤裕子代表取締役)が、昨冬、文化庁に登録を受けるための書類を提出。7月16日(金)に、文化審議会(西原鈴子会長)が、全国27都道府県の建造物167件と併せ、小樽の旧青山別邸と文庫蔵、板塀の3件を、登録有形文化財(建造物)とする答申を川端達夫・文部科学相に行った。
貴賓館の佐藤美智夫オーナーは、「全国に登録有形文化財だと宣伝が出来るようになった。小樽の指定ではなく、それよりも1ランクも2ランクも上になり、これまでよりも多くの方々が見に来てくれるようになると思う。実際に、この話が表に出てから、お客さんが増えている」と話している。
小樽市内では、JR小樽駅プラットホーム、JR小樽駅本屋が、国の有形文化財に登録されている。