祝津の番屋通り沿いにある「茨木家中出張番屋」(祝津3)の修復工事が、6月22日(火)に完了する。事業管理者の北後志風土ツーリズム協議会(鎌田力代表)は、同地区の恵比寿神社の例大祭初日(6/25~27)に併せ、25日(金)、竣工記念フォーラムと竣工式を行う。
同番屋は、祝津三大網元の一つ茨木家によって明治後期に建てられた。木造亜鉛メッキ鋼板葺平屋建(279.33平米)。玄関の屋根を支える板や格子の窓を支える持送り(横材・ブラケット)に一つひとつ彫刻が施されている。玄関正面には、かまどが据えられ、座敷が6室、漁夫が寝泊りする”ネダイ”が設置されている。
小樽商工会議所や小樽市、小樽観光協会などで作る北後志風土ツーリズム協議会が、国土交通省の「建設業と地域の元気回復助成事業」の2,500万円の助成金を受け、「地域人が集う『生きた番屋に』」と3月から番屋の修復工事を始めた。建築当時の建具や明治の竣工時と同じ松の部材で補修し、水道・ガスコンロ・トイレ・室内照明などを設備。概観は完成しており、昔の三大綱元の番屋が、建設当時の姿に甦っている。22日(火)には引渡しの予定。
同協議会は、25日(金)15:00から、竣工記念フォーラム「茨木家中出張番屋修復事業顛末記」を実施する。北海道職業能力開発大学校・駒木定正准教授、山之内建築研究所・山之内裕一代表、株式会社山谷建築店・大阪靖博建築部長の3氏が、建物の概要、工事の苦労話などを披露。また、棟札を発見し、番屋の図面を起こした学生2人もこれに参加する。
この後、除幕式・竣工式を行う。「おたる祝津たなげ会」による懇親交流会も予定している。26日(土)10:00~15:00には、一般公開する。
祝津町会(約400世帯)では、同番屋を町内会館として利用するため、市長の認可があれば「法人格」を取得できる地縁認可団体申請を行う。現在、署名活動しており、夏には、申請出来るという。番屋所有者の茨木誠一さんは、「町内会で使ってくれるなら」と、土地・建物は無償貸与することにしている。
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