「商大生が小樽の活性化について本気(マジ)で考えるプロジェクト『マジプロ』」が、5月26日(水)からスタートした。
同プロは、2年生を対象とした2単位の正規カリキュラム「地域連携キャリア開発」。小樽市役所から与えられた小樽の課題を、学生目線で考えていく授業。
3年目となった今年は、4年生1人・3年生3人・2年生22人が参加。担当のビジネス創造センターの大津晶・副センター長のゼミの3年生12人がサポート・広報役に回り、総勢38人の学生が、小樽の街の問題点を考え、若者の柔軟な発想で、小樽の活性化のアイディアを生み出そうとしている。
第1回講義は、同大3号館で開かれ、市職員による課題解説とグループワークが行われた。
海老名誠・ビジネス創造センター長は、「この街をどうしたらアクティブに活かせるのか、大人も考えているが、なんせ頭が固くなっているので、学生の斬新なアイディアを出してもらう。これまでに、さすが学生だなというものも出てきて、行政でも反映され、姿を変えながら市の発展に役立っている。積極的に取り組んでもらいたい」と呼びかけた。
市役所から出された課題は、小樽市築港地区の開発、中国・ロシアなど海外への小樽のPR,歴史的建造物の利活用、中心市街地活性化イベントについての4 つ。
小樽市築港地区の開発では、「築港地区の大型商業施設は、残念ながら、札幌寄りの3階・4階が閉鎖し、所々に空き店舗がある。これだけ大きな施設を維持していくのが大変だと事業者が言っている。ウォーターフロントをテーマにしているが、市民の人が、もう少し、水と親しむような活用が欲しい。中心市街地とどう連携して活性化を図っていくのかという問題がある。若さゆえの斬新さ、大人が思いつかないようなアイディアを出して欲しい」。
中国・ロシアなど海外への小樽のPRでは、「日本側の多言語対応が遅れている課題がある。中国から日本へ直でアクセスが出来ない。小樽はお金がない街なので、インフラ整備が出来ない。外国人へのきめ細かな対応が遅れている。中国・ロシア向けの販路拡大の手法、商品、情報提供、観光客向け接客ツールなど考えてもらいたい。きみたちが本当に面白いと感じるものを考えてください」。
歴史的建造物の利活用では、「歴史的建造物の街の景観を作っている大事なものだが、所有者はほとんどが民間。公共的に持っているものはわずかで、今、利活用は大変苦慮しているところ。活用したいと相談に来られても、消防法に適合させるために改修費用が高くなり断念し、長い間使われず、維持補修が出来なくなり壊されるという悪循環が課題となっている。歴史的建造物を巡るモデルコースを用意しているので、このパンフレットを読みながら回って頂ければ新しい発見があると思う」。
中心市街地活性化イベントでは、「若い学生の柔軟な発想と行動力で、中心市街地の活性化をいかに考えていくか、賑わいをどう創出するか、商店街の売り上げにどうつなげるかが課題。中心3商店街は、都通り、サンモール、花銀の3つ。大人には経験と知識があり、商大生にはアイディアがある。活性化は現場で起きている」などと、市職員がそれぞれの課題について説明した。
この後、学生たちは、興味を持ったグループに分かれ、担当者との意見交換を行った。今後、課題ごとに2グループずつ計8グループを決め、半年間で具体的なプランを提出する。11月には、市民を対象とした発表会を開催する予定。
◎関連記事1 関連記事2