市立小樽末広中学校(手宮2・小友和法校長)の生徒と地元商店街・能島通り商栄会がタッグを組んで行う「桜再生プロジェクト」が、4月30日(金)から本格的にスタートした。
同プロジェクトは、手宮公園で夜桜ライトアップを実施した同商店街の「民の力で小樽の桜を再生させたい」の思いから始まった。昨年度は、小樽ファンからの寄付金による「ふるさとまちづくり協働事業」に採択され、市から30万円の助成金を受け、同校の生徒会が中心となって、園内の桜110本を管理するためのナンバープレートをつけた。桜に愛着が沸くようにと、生徒一人一人から桜の名前を募集した。
今年度は、同校が市内のボランティア校に指定されたことから、全校生徒200名が授業の一環でプロジェクトに参加し、作業を手伝うことが可能となった。
30日(金)は、樹木医の有限会社庭園デザイン・中村哲世代表取締役による学習会と、桜の木に名札をつける作業を行う予定だった。しかし、生憎の雨天となったから、名札つけは、5月6日(木)14:30からに変更となった。
学習会では、中村代表取締役が、「手宮公園の桜は、大正時代に植えられた由緒あるもの。何もしないで病気が進むことは悲しいこと。誰かが手助けすれば、樹木は元気になる。
平成18年の写真を見てください。咲いているように見えまずが、我々、樹木医からすると、桜の花が随分少なくなっていると思う。桜の花のつぼみからは、弱い時は3つ、健康な時は6つ、もっと良い時は7つの花が咲く。写真ではたくさん咲いているように見えるが、健康な時は枝が隠れるぐらいになる。昨年の写真はないが、まだまだ少なくなっていた。
桜の寿命は100年ぐらいと言うが、桜は不定根が地面につくと、100年、200年、300年と続く。名札をつけたあと、枯れ枝や病気を発見し、傷口の処置を行って、土壌改良、肥料やりなどの作業をして、みんなで桜を守っていきましょう」と呼びかけた。
能島通り商栄会の三島真一郎さんは、「桜はやばいんです。瀕死の状態なんです。今年からはみんなで桜再生プロジェクトを手伝ってください。来年、再来年と、後輩に受け継いで下さい。この取組みは、日本、世界に広がると思います」と語った。
生徒会の三浦悠太郎さん(3年・14)は、「家族でライトアップの桜の花見をした時と、今の桜は随分と雰囲気が変わったと思う。桜の病気の種類を聞いて、現状を理解してから、みんなでプロジェクトに取り組むと、達成感が生まれると思う」と気合十分。
30日(金)に中止となった名札つけ作業は、ゴールデンウィーク明けの5月6日(木)14:30から行われる。ゴン太や紅桜、EXILEなど110の子供らしい名前が、桜の木一本一本につけられる。
◎関連記事