小樽市立北陵中学校(清水町5・宮澤知校長)では、10月7日(水)15:00から、教職員を対象に自殺予防教育プログラム研修を実施した。
講師は、北海道警察本部少年課少年サポートセンター少年補導係長上原容子氏が務め、事例を紹介しながら「大切なあなたへ~自分の大切さを考える」をテーマに1時間ほどの講義を行った。
同センターは、警察官・少年警察補導員・少年心理専門官が配置され、子どもを非行や犯罪被害から守る活動、非行少年の立ち直りの支援などの活動を行い、少年の居場所づくり・非行防止教室を実施。小樽市内の学校での研修会は、今回が初めてとなる。
研修で、いじめを苦に自殺した子の母親の手紙から、被害者や加害者の痛み・残された人の痛みを知り、SNSで援助交際を繰り返すなどの性非行が、自身を傷つけているのだと説明。
実際にいじめられて死を考えた子どもからは、「死ななくて良かった」と感想が届いたといい、乖離状態で万引きを繰り返す女生徒を、同センターや学校、家庭や地域との連携で救えた事例も紹介した。
上原氏は、「問題を起こし困る子は、問題を抱えて困っている子。そのような子どもにはケアが必要で、共感することで糸口が見つかる。問題の解決には、関係機関同士や先生との連携。それぞれの機関の弱みと強みを知ることが大切」とアドバイスした。
宮澤校長は、「困った子は困っている子。私たちが気をつけなければならないことで、子どもたちの背景には深いものがあり見逃してしまうと、子どもを真っ直ぐに伸ばすチャンスを奪ってしまうと聞き、そうだと思った。いろいろな場面で、今日の話を大切に、自分を大切に思えるように導いていきたい」と話した。