市が立替払いした高額医療費6,700万円未請求問題で、山田勝麿市長は、3月1日(月)の市議会第1回定例会の会派代表質問で、道への返還分の 3,400万円は職員厚生会の振興基金を財源にし、残りの3,300万円は上司や関係者で補填することを明らかにした。
市長は、「道への返還分は職員厚生会の振興基金からの寄付を財源に、追加補正予算を提案する。残りは、上司や関係者など当事者から補填することで協議している」と、北野義紀議員(共産党)の質問に答えた。
また、市長は、「道の指導の監査が入って、概ね良好という判断もらっといて、そしておかしいと言われても、何を信用すれば良いのか」と道にも責任があると述べていたが、この日、「道の事務指導検査は、事務が適正に実施されているか指導することを目的としており、監査してお墨付きを与えるものではなく、全件のうちから何件か抽出してみて概ね適切と判断した。この制度は、小樽市の事業」と、これまでの答弁を一変させた。関連記事
福祉医療助成制度の高額療養費は、重度心身障害者・ひとり親家庭・乳幼児を対象とする制度。健康保険に加入する市民が、医療機関の窓口で支払った医療費の自己負担額が高額となった場合に、その分が本人に支給されるもの。市が一旦立替払いし、後日、健康保険の保険会社に請求し、歳入として受け取る仕組みとなっている。
未請求問題は、担当職員が一度も請求事務しなかったことなどから、2002(平成14)年度から2006(平成18)年度までの国民健康保険以外の健康保険加入者分で、総額6,700万円の回収が不能となり、市に損害を与えた。道の助成対象事業となっており、市は、3月末までに6,700万円のうち 3,400万円を返還しなければならない。
1日(月)の質問で、乳幼児分の2003(平成15)年度と2004(平成16)年度の関係書類を、担当職員が廃棄していたため、詳細な金額が分からない状況となっていることが、新たに分かった。
「5年後に廃棄するところ、認識不足で3年で書類を廃棄してしまった。2月19日の厚生常任委員会では、未請求問題の概要の報告をし、7枚の資料を提出した。いずれ分かることなので故意に隠したのではない」(中村浩医療保険部長)と述べた。
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