2月16日(火)に開かれた記者会見で、3期12年目の最後の予算を発表した山田勝麿市長は、自身のマニフェストの「達成率は9割」だと豪語した。
財政再建、新市立病院建設、中心市街地の活性化などが主要公約だった。
小樽市の財政は、市長自身が言う「日本一の貧乏都市」にして、赤字また赤字の赤い海の中をあえぎ回っているのが現状で、普通預金(財政調整基金・減債基金)はスッカラカンのゼロ行進中で、さらに他会計からの借入れも多額に上る。関連記事
他会計からの借入れは、20年度末で、水道事業会計3億円、下水道事業会計7億1,000 万円、産業廃棄物等処分事業会計5億9,000万円、土地開発基金5億1,000万円、市営住宅敷金基金5,000万円の計36億9,500万円にも上る。奨学資金基金や、青少年育成資金基金、ボランティア活動資金基金、プール建設資金基金、市立病院新築資金基金など、市民からの寄付で積み立てられた基金にも手を出し、32基金から15億3,500万円も借入れしている。
山田市政3期12年では、一般会計の財源不足による実質赤字の穴埋めのため、他の特別会計が蓄えた資金や基金をすべて使い果たしている。この、他会計からの借入は、親(一般会計) が、子(他会計)が貯めた金を巻き上げた格好となっており、子供からの借金はそのまま残り、親のツケを子や孫の代までに回しただけで、市の財政は、財政再建などとはほど遠い内容となっている。
新市立病院建設では、建設費156億円、総事業費220億円の巨大な豪華病院を築港地区のJR用地に建てることを公約していたが、起債許可が得られないことで基本設計の中断に追い込まれた。結局、3期12年経っても、何一つ進展せず、住民訴訟も起こされており、被告の席につかされている状況だ。あげくに、自らの公約を放り出し、対立候補が主張した現在地周辺に方針転換するという自業自得の屈辱を受けている。
中心市街地の活性化では、ランドマークだった旧丸井今井小樽店とグランドホテルが入居していた再開発ビルは、テナントが総撤退してしまい、巨大な幽霊ビルとなってしまっている。「旧丸井今井小樽店の再活用に積極的に取り組みます」と公約していた市長は、「どこか入るところが決まって、それで応援していく。決まらないのに小樽市がやるわけにはいかない。手助けする色々な手法があるが、具体的に今は無いので、支援のしようがない」と他人事のように述べている。
財政再建も新病院も市街地活性化も何ら出来ておらず、衰退の一方の小樽市経済を尻目に、(マニフェストの)「達成率は9割いってるのでないか。(残りの1割は)病院」と、自らの責任を何一つ感じずシャアシャアと述べる行政のトップは、小樽市民にとって救いのない存在となってしまった。
3期12年の最後の年に、主要施策が何も達成されていないのに、公約の達成率が9割だと豪語することは、到底、普通人では考えられない感覚だ。こんな小樽に誰がしたのか。
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