小樽看護専門学校存続決定 市と協定締結

 

 

 2023(令和5)年春の閉校を予定していた、学校法人共育の森学園小樽看護専門学校(入船4・近藤真章校長)は、小樽市(迫俊哉市長)と運営に関する協定を締結。

 

 両者が連携協力の下で、市が支援を行うこととなり、2021(令和3)年度の入学生の募集を再開し存続が決定した。

 

 8月26日(水)15:45から、市役所(花園2)市長応接室で、間宮正幸理事長・近藤校長・加藤崇事務長と、貞本晃一保健所長、迫市長が出席し、同校の運営に関する協定書を交わした。

 

 ◎小樽看護専門学校の運営に関する協定(JPG)

 

 同校は、1965(昭和39)年7月に、3年課程の正看護師を育成する夜間定時制として設立し、これまでの卒業生は2,300名に及び、看護人材育成のための重要な役割を果たしてきたが、近年、入学生の定員割れが生じたことなどを理由に、2020(令和2)年度をもって、募集を中止することが決定していた。

 

 小樽医師会看護高等専修学校(富岡1・阿久津光之学校長)の正看護師を目指す学生にとっては、突然の進学先を失うことになるため、短期間で署名活動を実施。存続に関する要望書と賛同する約24,000筆の署名を集め、市長に熱い思いとともに提出した。

 

 市も前保健所総務課長を戻し、看護学校存続に向けた専門担当として配置して進路を決める時期前に、スピード感をもって存続決定の思いに応えた。

 

 迫市長は、「同校の存続が、市内の医療現場での看護師の確保や、市内で準看護師として働きながら資格取得の機会が得られ、さらに若い世代の人口定着に繋がるとの認識に立ち、同校存続に向けて同校と協議を重ねてきた。

 

 この間、同専修学校在校生から、存続に関する要望書と賛同する署名の提出を受けた。市と法人の連携協力と、市が支援を行う中で、まずは同専門学校の2021(令和3)年度の学生募集再開への協議が整い、協力をいただいたすべての方に感謝を申し上げる。2022(令和4)年度以降の学生募集を含め、学校存続に関しては、関係機関と協議を進めながら、引き続き取り組みたい」と述べた。

 

 間宮理事長は、「半世紀以上の歴史があり、経営母体となっている学校法人の教育の森学園は3代目。地域医療に貢献してきたが、2007(平成19)年に昭和学園小樽短期大学が、少子高齢化のあおりを受けて閉校。その時に多額の負債を背負った。

 

 その後、法人も変わり、看護専門学校と高等学校を運営してきたが、今春、看護学校で定員割れを起こし、理事会での苦渋の選択で閉校を決めたが、市民の皆さんの署名等により希望が大きく、市の判断を受け、少なくとも来年度の学生募集をしていきたいと、昨日の理事会で決めた。

 

 今後も根本的な問題を抱えたままで、再度、状況次第で判断させてもらう。次年度の学生募集と3年後の卒業まで責任をもって行う」と述べた。

 

 市は学生募集に関して周知活動を協力し、同校の運営を適正に行っても発生する収支不足について支援を行い、2021(令和3)年度の入学生について、卒業するまで看護教育の提供体制維持に責任をもって取り組むことなどが盛り込まれた。

 

 今年度は定員40名のところ26名でスタート。今後、学生確保が課題のひとつとして、間宮理事長は、「厳しいままではあるが、市の支援もあり、広報機能を活用していただきたい。継続してやることになり、教職員にも期待している」と述べ、近藤校長は「準看護師の学校が全道で5校しかなく、同高等専修学校からの学生が60%を占め、医師会との連携が重要となる。今年度も3次募集まで行った結果」と述べた。

 

 進学を希望している同専修学校の学生は、「閉校を聞かされ、何をどうすればいいのか分からない日々が続いたが、自分たちができることとして署名活動を行い、市民からも賛同の声をいただき、存続に導くことができたのではないかと振り返っています。学校が存続することで、小樽で勉学に励みながら小樽の病院で働けること、小樽の医療従事者が減少しないことに対し一安心している」と話した。

 

 9月に道内・東北へ学校案内や募集要項を配布。推薦入試は、11月中旬から出願し試験は12月中旬。一般試験は、12月中旬から出願し1月下旬に試験を実施。

 

 詳しい日程は、同校HPに掲載中。

 

 ◎小樽看護専門学校HP(外部)

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