小樽出身の川上氏寄贈 小樽図書館改修完了

 

 

 市立小樽図書館(花園5・鈴木浩一館長)では、児童室・休憩室等の改修工事を終え、8月6日(木)13:30から、児童室でオープニングセレモニーを行なった。

 

 迫俊哉小樽市長・林秀樹教育長・鈴木喜明小樽市議会議長、工事を請負った阿部建設株式会社の中野豊代表取締役社長らが出席。新型コロナウイルス感染症拡大防止に対応し、新北海道スタイルで実施した。

 

 昨(2019)年3月に、小樽出身でフロリダ在住の川上精子氏から、図書施設充実のための寄附の申し出があり、同館改修工事が実現した。

 

 川上氏は、小樽市立旭ヶ丘中学校(現西陵中)で教師を務め、その後、米国に留学し結婚してフロリダに永住。

 

 小樽の子どもたちのために、「親子がゆったりと過ごせる空間・ふれあい・憩いの場の創出」を要望し、小樽で縁のある同社に発注全てを任せることを条件とした。

 

 今(2020)年5月31日に着工し7月末に終了。改修費・備品購入費を含む寄附額は16,995,000円。

 

 1階児童室のカーペットや壁紙の交換、おはなしコーナー撤去、親子のふれあいコーナー設置、ベンチ・書棚・机椅子の取り替え、授乳室の設置。閲覧コーナーにラウンド型のロビーチェアを設置。

 

 2階は休憩コーナーの机椅子を交換、カウンターテーブルを設置。隣接するバルコニー部分を整備し、夏季間は、パラソル・テーブル・ベンチ・椅子を設置する。学習室の机と椅子を交換、仕切りつきのキャレルディスクを設置した。

 

 迫市長は、「児童室は解放的に、学習室は仕切りを入れて学習環境を整えた。2階の休憩室では、短い夏をテラスで読書ができるよう配慮。川上様の意思を受けて、市としても雨漏りの改修工事、照明やエレベーターなども合わせて実施。

 

 コロナウイルス感染症の影響で3度ほど閉館しているが、大変多くの皆さんから再開を望む声があり、多くの人から図書館が愛され親しまれていると実感した。今回の改修を終え、さらに多くの人に利用していただきたい」と、期待を寄せた。

 

 「遠くから小樽の発展を願っている。自分は、少年よ大志を抱けの気持ちで頑張ってきた。小樽のこどもたちに、もっと夢を持って羽ばたいてほしい」と、小樽に貢献できたことをとても喜んでいたとの伝言とともに、出席が叶わなかった川上氏のプロフィールと寄附の経緯や改修内容について、鈴木館長から説明があった。

 

 中野社長は、川上氏と中野家との縁を説明し、「川上氏が最も希望した親子がふれあえる空間をテーマに、授乳室・学習室・休憩コーナーを改修し、児童室は、図書館職員の児童チームの意見を基に、親子で楽しめる空間ということで改修した」と述べた。

 

 テープカットでは、来賓と同館近隣の児童2名も加わって完成を祝い、石塚副館長の案内で改修場所を見て廻り、一般客への利用も開始された。

 

 ◎市立小樽図書館(外部)