塩谷1丁目太陽光発電所 運用間近無念の住民説明会

 ACAクリーンエナジー株式会社(旧くにうみエナジー株式会社・東京都)は、小樽市塩谷1丁目の太陽光発電所事業に関して、6月20日(土)14:00から、塩谷サービスセンターで3回目の説明会を実施した。

 同社経営企画管理本部発電所管理部・森蔭政幸部長と株式会社三共建設(東京都)エネルギー通信事業部・前野清隆部長、小樽市から生活環境部・財政部の4名、塩谷・桃内連合町会・前田正夫会長、塩谷太陽光発電所問題を考える会・堂端幸彦代表をはじめ、地域住民ら10名が出席。

 塩谷1丁目住宅地周辺の市営住宅跡地(5359.76㎡)に太陽光発電所を建設し、6月25日(木)から運用開始となり、直前の住民説明となった。設備出力310kw、総発電量は、年間約360,697kwh(約112世帯分の生活電力に相当)。

 同社は、2016(平成28)年3月29日(火)にくにうみエナジー株式会社を設立。太陽光発電事業の開発運営を主要事業とし、2020(令和2)年6月15日(月)現在、北海道から九州まで全国71箇所の発電所を保有している。

 同場所に建設するにあたり、市は、2018(平成30)年3月30日(金)に同社から旧塩谷住宅跡地の買受申込書を受理。4月18日(水)、同社による近隣住民11軒へ戸別訪問し説明。

 19日(木)に住民から契約管財課に苦情が入ったが、その後、2019(令和元)年5月19日(日)まで、住民に一切の連絡も説明もないまま計画は進み、同年7月25日(木)に住民主催の説明会で、建設反対意見が多数ある状況。9月17日(火)に、同社主催の2回目の住民説明会が開かれ、10月7日(月)には、650筆の建設反対署名を市へ提出し、建設中止を求めていた。

 2020(令和2)年5月13日(水)から基礎工事が始まり、24日(日)から太陽光パネル取付工事が、29日(金)から配管配線工事、6月6日(土)から機器設備工事が行われ、25日(木)に運用開始となり、稼動期間は20年を予定している。

 本日の説明会では、森蔭部長から太陽光発電所の概要や計画、安全管理や災害時の対応について等の説明と、資料に反射光のシュミレーションも用意された。

 24時間365日常時遠隔監視制御システムで管理し、定期的に草刈を実施。災害時の対応については、監視制御システムによる確認と電気主任技術者が現地確認で安全確認を行う。

 質疑応答では、同考える会・菅原博代表は、「シュミレーションの資料は信用性がない。住宅地の中に建てるなんて、住民が納得した上で行うべき」と、怒りをあらわにした。

 前田会長と堂端代表の連名で、地域住民の安全な生活を続ける為の要望書を同社へ提出。

 堂端代表は、「住民の要望を出してもすでに完成してしまい、発電を待つばかりとはとても残念。市が土地を買い戻し、建設を中止した最上と塩谷を比較せざるを得ない。あとは、住民に被害が起きないこと。起きた場合にどう補償するか、その2点について話をせざるを得なかった」と、要望書に対して、文章での早期返答を求めた。

 森蔭部長は、「意見を参考にしたい。要望書は精査して回答したい」と述べるに留まった。

 出席した住民の1人は、「座りこみしてまでも反対したかった。市の協力がなかった。この次はさせない。建たなくてもよいものを建てた」と悔やんだ。

 市は、太陽光発電設置に関するトラブルの未然防止を目的とした、太陽光発電施設の設置に関するガイドラインを策定し、2020(令和2)年5月1日(金)から施行している。

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