小樽市総合博物館(手宮1・石川直章館長)は、6月1日)月)からの再開に合わせ、少しでも来館者の目に留まり、新型コロナウイルスに気をつけてもらいたい思いから、宮澤賢治の児童文学短編集「注文の多い料理店」を参考に、ユニークな感染防止ポスターを制作。全国各地から予想以上の注目を集めている。
石川館長は、5月にツイッターでユニークなポスターの存在を知り、同館でも使いたいと許可を得て、職員の鈴木博子さんにポスターの制作を任せた。
もともと同館のイベントポスターも手作りしている鈴木さんは、宮澤賢治独特の文体からイメージを膨らませ、山猫の「どなたもどうかおはいりください」の言葉から始まる。
恐怖感をあおるようにポスターのバックや文字を工夫し、クリームをアルコールえきに、顔や手足を手や指に変え、「どうか手や指にアルコールえきをたくさんもみこんでください。」として、最後は「さあさあ おなかにおはいりください。」と、そのままの文で締めくくっている。
鈴木さんの文やレイアウトに、元実習生の久保田真由さんに依頼した猫のイラストを足して、5月30日(土)からフェイスブック等で公開。ポスターは、本館4枚・運河館1枚を掲示している。
鈴木さんは、「文章を見ると、すぐに宮澤賢治の本だと気付き、面白いと感じて守ってもらえるのではと思い、足を止めて見てもらえるように制作。アクセス件数が増え、こんなに見てもらい嬉しい」と喜んでいた。
同館フェイスブックのアクセス数は、通常1,000件から多くて4,000件で、このポスターを掲示したフェイスブックやツイッターを合わせると4万件を越えた。公開初日から同業者からの問合せもあり、収束を願い、ウイルスに負けないための感染防止ポスターの注目が暫く続きそうだ。