小樽市総合博物館(手宮1)は、11月14日(土)から、収蔵資料の「お宝」を公開する企画展「収蔵資料蔵出し展」を開催する。
同館は、昆虫標本から鉄道車両まで、12万点に上る資料を所蔵している。しかし、常時公開しているのは、このうち1/40の約3,000点.。大部分の資料は収蔵庫に保管している。これらの資料は学術研究に使用したり、他の施設に貸出している。
企画展では、学芸員4人が分担して鉄道・自然・歴史など12のテーマに分けて非公開資料を約250点展示し、資料収集という博物館の仕事を紹介する。
歴史のテーマでは、榎本武揚や大島圭介など幕末から明治にかけて活躍した小樽ゆかりの人物の書をはじめ、小学校時代を小樽で過ごした銀幕のスター・石原裕次郎の2年生の頃の作品「天人羽衣松原」を並べる。同作品は、3重丸で「優」と採点されている。
また、昭和10年代に中央通りにあった山部商店の2階に掲げられていた「銅板張木製看板」が、目を引く。大きな銅板に「一番より酒 千歳鶴」と記されており、迫力がある。破綻した北海道拓殖銀行小樽支店などの看板もある。解説文には「これまでほとんど展示してこなかった資料の代表が看板です。展示しなかった(できなかった)理由はその大きさにあります」と書かれている。
自然では、1943(昭和18)年北海道で観測された皆既日食の写真、シシャモの名づけ親・疋田豊治博士寄贈の魚類標本、小樽公園「こどもの国」の前身の子供動物園で飼われていた猿やペンギン、オットセイなどのはく製を展示している。フンボルトペンギンの展示では、「世の中は南極ブームに沸いていた頃でしたが、子供動物園に来たペンギンは南極ではなく南アメリカ大陸のフンボルトペンギンだった」との解説がある。
鉄道では、築港ヤード再開発前の旧国鉄時代の築港機関区の資料を並べる。今回展示されている資料は、高額の評価額がつくような「お宝」は少ないが、「一つ一つが地域の歩みを物語る、かけがえのない宝物」(同館)としている。
「収蔵資料蔵出し展」は、11月14日(土)から来年1月11日(月)まで。入館料のみ。料金