小樽の歴史とともに90年間歩んできたゴム長靴メーカー・株式会社ミツウマ(奥沢4・小舘昭一代表取締役社長)は、低価格輸入靴や景気低迷の影響で在庫過剰となり、小樽工場でのゴム靴生産を中止し、11月には、従業員200人を半減させることが分かった。
同社(資本金5,000万円)は、1919(大正8)年小樽で創業の老舗ゴム長靴メーカー。龍・神・駿の三馬を並べたロゴマークが有名。小樽産のゴム長靴を全国各地で販売してきた。工業用ゴム製品や射出成型靴、化成品なども製造し、昨年12月期の売上高は32億円(うち国産長靴15万足4.5億円・輸入長靴50万足5億円)に上る。
しかし、近年、中国の低価格製品に押され、昨今の景気動向もあり、国産長靴の需要が低迷し、過剰な在庫を抱えることになり、小樽工場での総ゴム靴部門の生産の中止に追い込まれた。
このため、同社では、従業員200人を半分の100人に削減することを決めた。9月28日に労働組合に方針を提示し、10月27日に協定を締結した。11月10日までに、希望退職者を求めている。この生産の中止と従業員の削減によって、来年の売上高は、20億前後に減少する見込みとしている。
今後、中国工場での輸入長靴の製造は続け、一部のミツウマ印の国産長靴は、下請けの国内メーカーにより製造を継続する。
小舘代表取締役は、「今後の経済状況を見極めながら、総ゴム靴部門の製造再開に向けて経営改善に取り組んでまいりたい」としている。
総ゴム靴部門以外の工業用品や帯電防止靴の販売は順調に推移しており、今後、これらの製品の製造に力を入れることにしている。2007(平成19)年には、社内に環境事業部を設け、LED蛍光管や弱酸性次亜塩素酸水「ステリ・PRO」の製造・販売に取り組んでおり、「今後、さらなる強化に努めていきたい」としている。
◎株式会社ミツウマ