ふれあいサロン「狸庵」では、道発表の緊急事態宣言を受け、2月29日(土)・3月1日(日)に行うはずだった恒例のひなまつりを自粛。
新光4丁目の住宅街にある同庵入口前には、ひなまつりの中止を知らせる看板を設置し、玄関内部には消毒液を置くなど、新型ウイルスへの対応をしている。
27日(木)・28日(金)の2日間で、代表の一條エツ子さんとお針の会のメンバーが、雛人形の飾り付けを完成させたが、28日の夜、自宅に戻ると、道が新型コロナウイルス感染拡大を受けて「緊急事態宣言」を出したのを知り、18回目の今回は自粛と決めた。
周知する時間がなく、近隣住民や道内各地からひなまつりを楽しみに訪れる人には、せっかくなので会場で休憩してもらいひな人形を鑑賞してもらうこととした。
一條さんは、「想定外のことで、張り紙で中止を伝えているが、来てくださった方にはご覧いただいています。来年に向けても頑張ります」と話した。
会場には、所狭しと明治から昭和にかけての市民寄贈の御殿飾りや7段飾りのひな人形がずらりと並び、市民寄贈の昭和30年代に飾られた愛らしい顔のおぼこ雛は、ここでしか見られない珍しい雛人形だ。その前には、つるし雛がいくつも吊るされ、豪華絢爛。緊急事態宣言が出されていることを忘れ、しばし、ほっとするひと時を過ごした。
江別から、毎年、写真撮影を楽しむ男性や待ちわびた近隣住民が来場し、ひと足早い桃の節句を味わった。
近くに住む女性は、「これだけの雛人形を見られるところはない」と絶賛し、商売をしていて土日は出かけることができなかった女性は、「初めて見た。素晴らしい」と感激していた。
会場の狸庵は、一條エツ子さんが夫の協力を得て、4月から12月まで毎週火曜日に、地域の高齢者や住民が気軽に立ち寄れる「ふれあいサロン」として開放し、月1度はイベントも開く。10月には、手作り市を予定している。
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