小樽の名所や産業、歴史文学者を題材にした「小樽切り絵かるた」の生みの親・髙橋悦郎さん(79)の個展「切り絵小樽建物展」が、11月28日(木)から12月1日(日)まで、市立小樽美術館(色内1)1階市民ギャラリーで開かれている。
教師だった同氏は、1972(昭和47)年中学校で教鞭を執るかたわら、美術教師の指導を受け、故郷小樽に戻ってからも、独学で47年間、切り絵を続け、約800点を完成させた。
今回の個展では、ライフワークにしてきた小樽の建物を、1号サイズした作品作りが目標の400点を越え、その中から選りすぐりの200点を展示している。
800号目の最新作、建替え後の菁園中学校も展示中だ。会場にはファイルしてある切り絵も楽しめ、下絵の段階が沢山あり、今後も制作を続けるという。
「銭湯の今昔」「神社・仏閣・教会」「再利用の倉庫と工場」「金融機関の今昔」など9つに分類し、作品ひとつずつに場所と作成年数・作品番号を記入している。
今は無き小樽の百貨店・大国屋やニュー銀座、廃校が相次ぐ懐かしい校舎、老舗の水晶堂や電気館ギンザ、北一硝子、モード洋装店など歴史を感じさせる建物が切り絵になり、来場者の目を楽しませている。
楽しみにしていた切り絵ファンは、懐かしい建物を見つけては、思い出話に花を咲かせていた。
髙橋さんは、「作成した建物400点のうち、3分の1は無くなってしまい、寂しい思いもあるが、会場の切り絵を観て、思い出話に花を咲かせてもらいたい。ぜひ来場していただきたい」と呼びかけた。
切り絵小樽建物展 11月28日(木)~12月1日(日)10:00〜17:00(最終日16:00)
市立小樽美術館(色内1)1階市民ギャラリー 入場無料
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