雲間から覗く 「部分日食」 小樽でも観測


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 7月22日(水)は、46年ぶりの「皆既日食」の天体ショーが日本で観測出来る日となり、小樽では、厚い雲間から覗く「部分日食」が観測出来た。
 小樽市総合博物館(手宮1)では、この日、天文教室を開き、市民たちが学芸員や専門家とともに「部分日食」の観測を実施した。
 今回は、東アジアを中心に「皆既日食」が起こり、日本では、奄美大島北部、トカラ列島、屋久島、種子島南部、硫黄島などで観測することが出来ると注目されていた。
 このため、インターネットなどでも、ライブ中継がなされ、硫黄島や太平洋上の船上からの映像が流され、「皆既日食」の天体ショーが見られた。
 小樽では、太陽の一部が隠れる「部分日食」の観測のため、市民や学芸員、専門家など約30人が、総合博物館の屋外フィールドに集まった。
 日食の始まりの10:04は、厚い雲に覆われていたが、部分日食が最大となった11:09頃には、雲間から、月と重なり51%欠けた太陽が姿を見せた。「あっ見えた」、「出てきた出てきた」と歓声が上がった。
 雲が流れていたため、今回の日食観測では、専用の日食グラスの使用は必要なく、ほんの一瞬だが肉眼で観測することが出来た。駆けつけた市民たちは、「一瞬しか見えないけれど、それでも欠けたところが直接見えるなんて嬉しい」と感動の様子だった。
nissyoku2.jpg 東京の新井由紀夫さん(49)は、「息子が鉄道の産業遺産を見たいと言ったので、小樽に旅行に来たが、まさか日食も見れるとは思わなかった。本当にラッキーです。空を見上げればすぐ見れるなんて、感動します」。湧くん(16)は、「日食を見る機会はそうそうないので、見れて本当に良かった」。実紀ちゃん(10)は、「友達が九州にいるので、日食の話を知っていた。部分日食だけれど、自分の目で見ることが出来て嬉しい」と喜んでいた。
 宇宙飛行士・毛利衛さんの兄で、同館友の会会長の毛利奉信さん(64)は、「今回小樽で観測出来たのは皆既日食ではなく部分日食だったが、博物館で観測出来た人が喜んでいるようで本当に良かった」。
 同館科学ボランティアで”日食オタク”の西村裕司さん(48)は、「一番欠けたところで観察することが出来て、写真にも撮ることも出来て良かった。これを見た子供たちに面白いなと思ってもらえたら」と話していた。
 次回の日食は、2012年5月21日で、小樽では今回よりも大きく、最大で8割ほどが隠れる。本州の一部では金環日食になるとされている。その後、2030年6月1日には、小樽でも金環日食を観察することが可能という。(写真提供:西村裕司さん)
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