「女流三画家のまなざし」展 市立美術館


 国内外で活躍する北海道出身の女性アーティストを紹介する「女流三作家のまなざし」展が、7月25日(土)から9月22日(火)まで、市立小樽美術館(色内1)2階常設企画展示室で開かれる。
 同館がクローズアップする女流作家は、小樽出身のデュボア康子、マユミ・ウヌマ・リンク、札幌出身の平田まどかの3人。
 デュボア康子は、1948年小樽市生まれ。パリ国立美術大学を修了後、全道展、独立展、女流画家協会展で受賞を重ねた。「純度の高い色彩と自画像を思わせる人体表現を調査させた独特の作風を確立してきた」。
 マユミ・ウヌマ・リンクは、1954年小樽市生まれ。パリ・アカデミー・ジュリアンで学び、フランスをはじめ、イタリア、ドイツ、ベルギー、日本で個展を開催。フランス東部のアルザスに在住し、国際的な舞台に積極的に参加している。「シンボリックに配置したモチーフによって『時間』をテーマに、現実と非現実を往来するような独特の詩情を生み出している」。
 平田まどかは、1952年札幌市生まれ。デュボア康子と同じく、パリ国立美術大学で学び、札幌を拠点に、企業や自治体からオブジェやモニュメント、レリーフ制作の依頼を受けている。「建築的空間を意識し、ときに人間を圧倒するほど大きな存在感で、設置された空間全体を変貌させる。シャープな形態と大胆な構成に特徴を示す一方、ユーモアも感じさせる」。
 3作家の共通点は、「北海道に育ち、美術を学ぶ過程で渡仏したこと、フランスで異なった環境に順応しながら、自信の思考を深め制作してきたことにある」としている。
 同展では、デュボアとリンクの近作の中から、「色彩」を表現した作品。平田の「空間造形」を意識した新作を展示する。「個々の作品を独立させながらも、3人のしなやかな感性が響きあい融和し、この展示でしか生み出せない、新たな魅力を提示する」としている。
 7月25日(土)から9月22日(火)9:30~17:00まで。一般400円、高校生・70歳以上の市内在住者200円。
 8月9日(日)16:00~17:00には、同3氏のアーティストトーク、9月12日(土)16:00~17:00には、中川和子のミュージアムコンサートが関連事業として開催される。観覧料が必要。