小樽市総合博物館(手宮1)の企画展「北海道の近代化とアメリカ~お雇い外国人が残したもの~」が、7月4日(土)から、同館企画展示室で始まった。
「アイアンホース号」は、小樽で最初に走った蒸気機関車を造ったアメリカ合衆国のH・K・ポーター社製の蒸気機関車。1909(明治42)年12月に製造され、今年100歳を迎える。同館内の敷地内を現役で走っている。
今年3月に、この100周年を祝うための実行委員会が発足し、8月8日(土)から16日(日)までの9日間、館内で様々なイベントが行われる。4日(土)からスタートした企画展は、明治期、北海道の近代化に貢献したアメリカ人たちの活躍を文書や写真で紹介する。
紹介されているアメリカ人は、当時のアメリカの農務省のトップの地位を捨てて、北海道近代化の責任者となったホーレス・ケプロン。「北海道近代化の責任者となった理由は、実地の農業体験者で、それを生かす場を求めていたことと、アメリカの国益に貢献する使命感」という。写真と文書のほか、ケプロン一行の買物リストも展示されている。
このほか、W.S.クラークやベンジャミン・ライマンなどが紹介されている。中には、近代化のモデルをアメリカに求めた日本人の黒田清隆の写真も並べられている。
人物のほかに、ロース幼稚園の先生クララ・ロースが持ってきた積木や、明治30年頃の小樽の海岸で採取された海藻の標本も展示されている。どちらも貴重な資料で、「積木は、北海道で幼児教育で使われた積木の中で一番古い。海藻は、小樽の海岸で採取されたことが特定出来る貴重な資料で、一番古いもの」(石川直章学芸員)と話す。
同展は、11月3日(火)まで。一般400円、高校生・70歳以上の市内在住者200円、中学生以下無料。こちら
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