芸術の秋に相応しく、9月26日(木)から令和元年度第70回小樽市文化祭が、「第73回市展」とともに開幕した。
市立小樽美術館(色内1)1階研修室で開会式を行った後、市展会場となる多目的・市民ギャラリーと2階展示室では、入賞・入選作品102点を展示し、開会式に出席した人々や心待ちにしていた市民らが作品を鑑賞していた。
新しく、福原幸喜さんが市展委員長を務め、高橋一文さん・庄谷真理さん・境希代巳さんが市展委員に加わった。
今回は、97名の油彩・水彩・日本画・版画・素描・パステル・工芸・立体・ミクストメディア116点の応募があり、9月21日(土)に搬入し、22日(日)に市展委員による審査を行い、石狩川の川岸の春先の風景をF60サイズに表現された、初出展の久野省司さんの水彩画「待春」が市展賞に選ばれ、14点が入賞した。
受賞した久野さんは、「若い頃から絵が好きで、20年前から自由に絵に打ち込む時間ができた。小樽水彩同好会の会員で、とちらかと言えば風景画が多く、今回の受賞はとても嬉しい。今後の励みになる」と喜びを語った。
小樽水彩同好会代表で講師を務める三留市子さんは、久野さんの市展賞受賞を喜び、「水彩画の出品数が油彩画より16点も多い50点と増えた」と、今年の傾向を語った。
福原委員長は、久野さんの作品について「雪解けの澄んだ空気感のある良い作品」と高く評価し、「昨年よりも出品者が24名増え、初出品者が21名もいる。その中に92歳の方もいて、初挑戦しようとする気持ちも素晴らしい」と関心を寄せた。
市長賞を受賞した高橋一文さんの作品は、ミクストメディア「雨の痕跡2019~深層へ」。11回目の挑戦で、昨年の教育長賞に続いての受賞で、市展委員に仲間入りした。
水彩画「待春」 | ミクストメディア 「雨の痕跡2019~深層へ」 |
油彩画「平和と死Ⅰ」 |
「9年間、立体作品を出品して1年間休み、雨の痕跡で昨年と2年続けて受賞でき嬉しかった。これからも好きなモチーフで、作品を作り続けたい。
雨の痕跡シリーズは、2015年から作り始め、完成までに4ヶ月かかった。誰もが持っている心の深層に隠れているものを表現した」と意欲を示し作品を語った。
北海道新聞社賞を受賞した鳴海康弘さんの作品は、油彩画「平和と死Ⅰ」。3年連続で入賞し、25体の様々な骸骨を描き、「誰もが平等に持っている骸骨、死も平等に訪れ、理想ではあるが、すべて平等であることを訴えたかった。受賞はありがたい、励みになる。今後も、地域に根ざし、骸骨や平等の路線で作品を作り続けたい」と話した。
小樽市文化祭 9月26日(木)~11月3日(日)
第73回市展 9月26日(木)~10月6日(日)
市立小樽美術館(色内1)1階多目的・市民ギャラリーと2階展示室
入場無料 月曜日休館