小説家・太宰治(1909~1948)の生誕110年を記念して、出身地の五所川原市立図書館(青森県五所川原市栄町)の共催を得て、市立小樽図書館(花園5・鈴木浩一館長)のエントランスとカウンター前に、9月26日(木)まで「あなたの知らない太宰治展」を実施している。
青森県北津軽郡金木村(現五所川原)に生まれた太宰は、中学生の頃から創作活動を始め、「走れメロス」「津軽」「人間失格」、ベストセラーの「斜陽」など、多くの作品を発表。その反面、自殺未遂や薬物中毒など波乱の人生を歩み、入水自殺で39歳の生涯を閉じた。
出身地の同市立図書館の呼びかけで、全国58図書館で、今年5月から太宰治資料展を開催。北海道では小樽のみとなる。9月13日(金)から映画「人間失格」が封切られ、太宰人気も高まり、関連書籍の貸出しも好調だ。
会場では、小樽図書館所蔵と道立図書館所蔵の関連書籍約100冊展示し、ショーケースの中には、道立図書館所蔵の「人間失格」の第1回連載された雑誌、太宰の自筆ノート(複製)や「斜陽」の執筆メモ、高校時代の落書きノートなど、貴重な資料を展示している。
太宰に詳しい鈴木館長と担当職員による、突っ込みどころ満載の年表や、太宰治検定と題してユニークなクイズを行い、参加者には、五所川原図書館特製の缶バッチやファイルを数量限定でプレゼントする。
現代日本文学を牽引する作家たちが、お気に入りの太宰作品を選んだ「マイベスト太宰」を紹介している。
さらに、お互いの観光PRを併せて行い、小樽では五所川原のパンフレットを配置して観光の周知を狙い、連携を図った。