文化庁が実施する、文化芸術による子供育成総合事業ー巡回公演事業の一環として、9月4日(水)13:30から、小樽市立長橋中学校(長橋4・岡本清豪校長)体育館で、仙台フィルハーモニー管弦楽団(約70名)による演奏会が開かれ、生徒304名・職員30名・地域住民や保護者107名・他中学校教諭8名が、オーケストラが奏でる音楽を間近で鑑賞した。
一流の文化芸術団体が小中学校で公演し、子どもたちに優れた舞台芸術を鑑賞する機会を設け、発想力やコミュニケーション能力の育成、将来の芸術家の育成や国民の芸術鑑賞能力の向上に繋げることを目的とした事業。
仙台フィルは、1979(昭和54)年、宮城フィルハーモニー管弦楽団として誕生。宮城県仙台市を本拠地とし、70名の演奏家が集まるプロオーケストラ。
巡回事業では、7月3日(水)の亘理町立理小学校(宮城県)を皮切りに、11月25日(月)の仙台市立広陵中学校まで13校を予定し、北海道では、釧路市・池田町・小樽市・北斗市の4校の小中学校で実施し、事前のワークショップで、演奏・鑑賞指導を行い、本番に備えている。
演奏会に先立ち、岡本校長は、「一流の芸術には、パワーとエネルギーがある。ただ聴く受身より、自分の感性を信じて、振動や空気感を体全体で感じ受け取ってもらいたい。合唱共演では、自分達もプロになりきり仙台フィルの一員となって歌い、なりきれる人だけが感じる楽しさがある」と話した。
演奏会は、7つのプログラムで構成。ビゼー作曲の歌劇「カルメン」より第1幕への前奏曲で始まり、オーケストラの楽器を、弦楽器・木管楽器・金管楽器・打楽器の4つのグループで説明し、ヴァイオリンやクラリネット、トランペット、シロフォンなど楽器の特徴や音色も紹介した。
江別出身の指揮者・水戸博之さんは、指揮者の仕事について、「演奏する曲の作曲者がどんな音を出したいのか読み取り、演奏する人に伝える」と、重要な任務であることを告げ、希望者2名の生徒と教員1名が体験。司会者は、「その指揮者によって三者三様で、会場によっても違い、クラシック音楽の楽しみでもある」と話した。
テノール歌手の加藤太朗さんが加わり、デンツァ作曲のイタリア歌曲「フニクリ・フニクリ」と、ブッチーニ作曲の歌劇「トゥーランドット」より誰も寝てはならぬを演奏し、聴衆を魅了した。
合唱共演では、坂本龍一氏作曲の「ビリーブ」を、オーケストラと一緒に歌った。
最後は、チャイコフスキー作曲バレエ組曲「くるみ割り人形」より花のワルツを演奏し、豪華なハーモニーを奏で、大きな拍手が贈られた。アンコールに応え、校歌をオーケストラバージョンで演奏し、終演となった。
指揮者体験をした副会長の柿崎雛魁さん(2年)は、「前に立つと、オーケストラの迫力が凄くて目を合わせられなかった。音楽は大好きで、今日の経験は良い思い出になった」と話した。
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