北海道の鉄道発祥地にある小樽市総合博物館(手宮1・相馬久雄館長)の列車群が、4月19日(日)、長い冬眠から目覚めた。
同館は、1996(平成8)年開館の小樽交通記念館として運営されていたが、入館者の伸び悩みなどで赤字が続いたことから閉館。建物が老朽していた青少年科学技術館と博物館の機能を館内に取り込んで、2007(平成19)年7月に総合博物館としてリニューアルオープンした。関連記事
総合博物館として、交通記念館で保存展示していた鉄道車両約50台を引き継いで展示している。現在、「NPO法人北海道鉄道文化保存会」(飯田勝幸代表理事)らの協力で、車両の修理保全を進めている。冬期間は、融雪で錆の原因になると、車両をブルーシートで覆っている。昨年は、ペンキの塗り替えを行った車両とこれから行う予定の車両計15台をシートで覆った。
4月19日(日)10:00から、同館職員とボランティア10人は、29日(水)からの夏期営業を前に、このブルーシートを外す作業を行った。参加者は、各自役割分担し、シートと車両を結んでいたヒモをカッターナイフで切り、鉄道の屋根に上ってシートをめくった。毎年の作業のため、参加者たちは手際良く次々にシートを外し、約5ヶ月間冬眠していた列車を目覚めさせ、暖かい春の日差しを浴びさせた。
最初にシートを外した車両「北海」は、2008(平成20)年8月、小樽市青年会議所主催の「未来の私へのメッセージ創造事業」で、市内の小学生50人がペンキ塗りを行ったもの。関連記事
ボランティアたちは、「ペンキを塗り替えた『北海』はきれいだ」、「他の車両とは全然違う。今年は、違う車両のペンキを塗りなおさなければ」 と車両を見上げていた。
同館では、この作業のほか、施設内を走る100歳の蒸気機関車「アイアンホース号」の整備も進めている。23日(木)から試運転を行い、25日(土)・26日(日)の2日間には、試乗会を開催することにしている。
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