小樽市民会館(花園5・月居卓司館長)自主事業、小樽伝統文化の会(藤間扇玉会長)主催の第11回和を遊ぶが、6月9日(日)12:30から同館で開かれた。
関連9団体・総勢約200名が出演して華やかに開催され、約800名が小樽の伝統文化を楽しんだ。
2009(平成21)年以来、小樽に息づく伝統文化を後世に伝えたいとの強い思いを胸に、継続をし11年目を迎えた。
今回も盛り沢山に企画され、本物の尺八の音色を聞く機会をと、特別ゲストに尺八奏者の難波竹山氏を招き、尺八と箏・十七弦による少年時代や冬のソナタ・枯葉・テイクファイブをメドレーで演奏した。
正派邦楽会「雅貴代会」は、和太鼓・尺八・十七弦・箏の奏者総勢45人による「筝曲八木節スケルツォ」を演奏した。民謡の中でもノリの良い曲のひとつとされている八木節のメロディーをモチーフに四重奏曲にまとめた。
日本詩吟学院小樽しりべし岳風会による恒例の白虎隊は、刀剣を持ち息を合わせて謡い舞った。
殿方による日本舞踊の第4弾は、初回から出演している上林猛氏(藤間流扇玉会)と中村全博氏(おたる政寿司取締役会長)に加え、平松正人氏(株式会社角一商会代表取締役)、山本秀也氏(協和総合管理株式会社代表取締役社長)が新たに加わり、歌舞伎狂言の一場面で、加賀藩のお家騒動を題材にし暗殺シーンが見所の「長唄筑摩川」を演目に、完成度の高い息の合った舞を披露。
小樽後志民謡連合会は、10月6日開催の全道大会の北海道と全国民謡の部と江差追分の部の3つの部に出場する6名が、自慢の喉を披露した。
参加団体が共演した企画作品・組曲「北前船」が最後を締めくくった。昨年、日本遺産ストーリー「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落~」に、小樽市も追加認定されたことに関連し、藤間扇久華氏が脚本を書き下ろした。
佐藤岳毖さんの朗読を挟みながら、厳しい荒波を越えた男達の心意気や大きな夢を、箏の音色や民謡・詩吟・日本舞踊で臨場感を感じ、演劇的要素を盛り込んだこれまでにない長編をじっくりと鑑賞し、観客は大きな拍手を贈った。
各団体代表者が舞台に集まり、藤間会長は、「新しい年号元年に11回目の船出を迎え、襟を正し沢山の緊張を感じている。令和の時代もより多く年を重ねられるよう念じ、日本の伝統文化をしっかりと学び、後世に伝えるべく精進して参りたい」と挨拶し、手締めで閉幕した。
初めて鑑賞した市内30代の女性は、「和の文化が、小樽にも根強く生きていることが分かり、感動しました」と満足していた。
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