小樽商科大学(緑3・山本眞樹夫学長)の「商大生が小樽の観光について本気で考えるプロジェクト(本気プロ)」成果発表会が、3月14日(土)13:00~16:45、市民センター・マリンホール(色内2)で行われた。
経済産業省の「平成20年度体系的な社会人基礎力育成・評価システム構築事業」に採択された同プロジェクトには、1年から4年までの49人が参加した。
8グループに分かれて、国際観光・札幌圏のマーケティング・ブランド商品創出・滞在観光推進プロジェクトの4つの課題解決に取組んだ。昨年11月からの4ヶ月間で学生らしい企画を作り上げた。
成果発表会には、小樽市長、市役所職員、観光業者など約200人の聴衆が集まり、学生たちの企画発表に耳を傾けた。
8グループは、順番にそれぞれの企画をプレゼンテーション。国際化対応策では、グループ”小樽120%”が、外国人観光客のニーズに合わせたガイドマップを披露。”三ツ星”が、外国人観光客が気軽に入店出来るように会話集などを作成することを提案した。
札幌圏マーケティングでは、”WBS”が、小樽のクリスマスを盛り上げるため、ロングクリスマスの宣伝・広告の改善やイルミネーションの充実、スケートリンクを設置することを発表。”NOVELTY”は、旧手宮線などを会場に学生向けのイベント「酒樽 walk」を開催することを提案。
地域ブランドの創出では、”ギャップデストロイヤー”が、羊羹とカスタードタルトを組み合わせて作る小樽スイーツ、”GJG MAX”が、シャコとグラタンを合わせたご当地料理を発表した。
滞在型観光の推進では、”SLAO”が、ユーザーに対してのいくつかの質問から好みの観光プランを薦めるホームページ「おたる観光診断所」を発表。”MOTS”が、携帯サイトを利用したオリジナルの観光プランを作成する「NoプランからKnowプラン」の企画を提案した。
この8企画の中から、”NOVELTY”の「酒樽 walk」と、”MOTS”の「NoプランからKnowプラン」が、会場投票で最多得票となった。
学生たちのプレゼンテーションのあと、会場投票で選ばれた2グループの代表を交えて、小樽市長や市議会議員、小樽観光ふれあい大使、FMおたるパーソナリティ、商大生などが参加するフリーディスカッションが行われた。
山田勝麿市長は、「わずか4ヶ月間で良くここまで来たなと思っている。学生たちが指摘する通り、小樽市のガイドマップは、日本人向けのマップを翻訳しただけのもので、外国人の側に立っていないのでなんとかしたいと思う。外国人への情報発信については、現在、市議会に予算を計上しているが、市のホームページを外国語に変換出来るようにしていく。酒樽walkは、早くに取り組めると思う。手宮線の整備がちゃんと出来れば面白いと思う。ご当地グルメでは、やる気のある人を発掘したいと思う。小樽に長くいてもらうプランは、ずっと課題となっている。今、740万人の観光客が来ているが、いつまでも続かないと思う。どうやったら数を維持できるか、質をどうするか、どうやったら小樽にお金を落としてくれるかということをいつも思っている」とまとめた。
このほか、「費用の試算があれば、もっと説得力がある」、「京都は、外国人向けに対応しているので、小樽も見習うべき」などの意見が出された。
同プロジェクトを担当するビジネス創造センターの大津晶・副センター長は、「学生の皆さんは、今回の成果発表をやり終えて、ほっとしていてはいけない。沢山の意見をもとにさらに考えるべき点が出てきている」と呼びかけていた。
小樽商大では、来年度以降、同プロジェクトを、「地域キャリア開発」プログラムの2年生を対象に正式授業に盛り込み、2単位を与えることにしている。今後は、観光をはじめ、経済、医療の問題にも取り組んでいく予定。
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