木版画「手島圭三郎の世界」 絵本・児童文学センター


tejima1.jpg 絵本・児童文学研究センター(工藤左千夫理事長)の創立20周年記念原画展「手島圭三郎の世界」が、2月27日(金)から3月1日(日)まで、ヴァイオリンとチェロの音色が響き渡る運河プラザ3番庫(色内2)で開かれている。
 同センターの創立20周年記念事業では、一昨年逝去した故河合隼雄名誉会長のレリーフ除幕式をはじめ、映画「森の学校」の上映、公開講座、文化セミナーなどを開催してきた。
 原画展は、この記念事業の最後を飾るもので、同センターの顧問でもある道内在住の世界的版画家・手島圭三郎の木版画作品約50点を展示している。
 手島氏は、紋別生まれ。版画作品は、北の森シリーズや極寒に生きる生き物たちシリーズなどの絵本に使用されている。日本をはじめ、アメリカやフランス、オランダなどで出版され、ボローニア国際児童図書展グラフィック賞や絵本にっぽん賞、ニューヨークタイムズ紙選世界の絵本ベストテンに2年連続選ばれるなど、国際的な評価が高い。
 作品は、北海道の自然と動物をテーマとし、日本的で木版画でなけれな表現出来ない世界を広げ、多くの人に感動を与えている。「人間の普遍的な課題である『こころ』を思い出させてくれる作品で、真摯な作風と共に先生の優しさから生み出されたものと考えている」(工藤理事長)。
tejima2.jpg 27日(金)12:00から、展示会場入口で、オープニングセレモニーが行われた。市内外から約50名の来場者が集まり、センター創設者の山田勝麿市長が「手島先生は、当センターの顧問でもある。作品は、静けさとともにダイナミックな表現が感動を与える。10年ぶりの原画展をゆっくりご鑑賞下さい」。手島氏が「50年間木版画を追求してきた。木版画が持っている美しさ力強さ、北海道的なものを感じてもらえれば嬉しい」と挨拶した。
 会場では、ヴァイオリン(多賀白)とチェロ(渡辺文)の軽やかで気持ちを落ち着かせるメロディーが生演奏され、来場者たちは、静けさの中にある大自然の迫力ある作品をゆったりと鑑賞していた。
 札幌市在住の島田百合子さんは、「版画作家の原画展を見て歩くのが趣味で、手島先生の原画展があると聞いて札幌から来ました。作品の優しさに心打たれました。この気持ちを孫たちに伝えたいと思って絵本を購入して、先生に孫たちへとサインをして頂きました」と感動の様子だった。
 絵本・児童文学研究センター創立20周年記念原画展「手島圭三郎の世界」は、3月1日(日)10:00~18:00(最終日17:00)まで。入場料:一般300円・中学生以下無料。ヴァイオリンとチェロの調べは、期間中13:00・15:00の2回。
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