日誌と写真から明治の冬の小樽を紹介する市総合博物館学芸員リレー講座「明治の雪景色を楽しむ」が、2月14日(土)、同館(手宮1)研修室で開かれた。
同講座は、博物館の学芸員が、リレー方式で研究分野を次々に発表していくもの。今回は、石川直章主幹学芸員が、明治から大正にかけて小樽稲穂小の校長を勤めた稲垣益穂の「稲垣日誌」に沿って明治の小樽の雪景色を紹介。
この日は、生憎の雨模様となり、石川学芸員は、「雪あかりの路が開催されるこの時期は、山のように雪があるので、この話をしようと考えていたが、今年は雪が少なく、春のような天候だ」と挨拶。約15名の参加者が集まる会場に笑いが起こった。
「稲垣日誌」は、稲垣氏が、小樽に赴任した明治36年から昭和16年までに書き残された日記。「稲穂小学校の卒業生が、何人洋服で何人和服だったとか、ベースボールがいつ小樽に来たかとか、カレーライスはいつ頃から食べるようになったかなど、歴史に残らないような日々の生活が残されていて、非常に面白く価値のあるもの」と解説した。
稲垣氏が初めて小樽に訪れたところから、水天宮から小樽港を望んだこと、運河が造られる前の海岸線の様子、道外の人が感じた北国の冬の寒さなど、日誌に沿って写真を披露し、次々に明治の雪景色を紹介した。
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