「小樽のどこを紹介したいですか」。「商業港湾都市から観光都市に生まれ変わったが、市民に意識はあるのか」。
小樽商業高校・商業研究部の学生5人は、2月3日(火)、花園小学校を訪れ、小樽観光の現状を小学生と一緒に考える出前授業を行った。
出前授業は、総合学習の時間で「命」をテーマとしたプレゼンテーションを実施した花園小5年生41人が対象。
「北を活かす人づくり」(道教委)事業の一環で、外国語で日本の文化を紹介する活動に取り組んできた高校生”先生”は、子供たちを前に、視聴覚室の大スクリーンにパワーポイントを映し出し、小樽観光の状況分析や4回実施したお茶会の成果、商品・キャラクター開発などについて発表した。
小樽観光の状況分析とお茶会の成果では、「香港や韓国からの観光客が多いことがわかりました。カタール、オランダ、スペインなど予想していなかった国もありました」。「冬に小樽を訪れた学校が多く、雪に対する関心が高かった」。「メディア効果が強く、どちらの県でも良く知られていました。しかし、目的地のひとつであるにもかかわらず、関心がない人が予想以上に多かった」 とアンケート調査を報告。香港から送られてきた一通のメールを英語で紹介すると、子供たちから驚きの声が広がった。
商品・キャラクター開発では、「新しいお土産を開発するために、工業高校に協力してもらって、ガス燈とオルゴールをイメージした”オルゴ燈”の試作品を作成しました。まだ時間はかかりますが、製品化に向けて、話し合っていきたい」 など、ユニークなアイディアを披露した。
最後に「3年間の学習で、多くの課題を発見しました。この課題を後輩に引き継ぎ、みんなで小樽を良くしていきたいと考えている」とまとめた。
子供たちは、高校生のプレゼンテーションに熱心に耳を傾け、中にはメモをとる子の姿もあった。
意見交換では、子供たちから「なぜ観光客が減ったの」、「なんで英語が上手に話せるの」、「プレゼンテーションを作るのにどれくらいの時間がかかったの」などの質問が次々に出された。
高校生の5人は、「小樽にもう1回来たいというリピーターが減ってしまった」、「外国人の先生と話して英語を勉強した」、「先輩たちが作ったものに調査を重ねて資料を作り、3年かかってこのプレゼンテーションが完成した」と答えていた。
花園小の西信太郎・金久保晃太郎くん(11)は、「すごく分かりやすいプレゼンテーションだった。パソコンデータのグラフィックがすごかった。観光客が減っている理由も理解出来た」と話していた。来年度、6年生に進級すると、今度は、「人」をテーマに調査を行い、今日の高校生を参考にして、プレゼンテーション製作の授業に取り組む。
◎関連記事1 関連記事1