「小樽再認識のきっかけに」 切り絵カルタ誕生


karuta.jpg ”ら” 「ランプともし 旅人待てリ 小樽駅」。”す” 「寿司自慢 百をも越える のれんあり」。”い” 「伊藤整 若き詩人の 住んだ街」。
 小樽の名所や産業、歴史、文学者を題材とした「小樽切り絵カルタ」が、このほど発行され、市民などから好評を博している。
 この切り絵カルタを作成したのは、小樽市緑の元小学校教諭・高橋悦郎さん(68)とオタモイの主婦・高田幸枝さん(45)の2人。
 郷土史カルタを紹介したテレビ番組を見た高田さんが、「子供たちに、カルタを通して、地元・小樽に関心を持ってもらいたい。大人の方には、小樽を再認識するきっかけになれば」と、切り絵カルタの制作を決意。切り絵を趣味としていた小学校の恩師・高橋さんに、絵札の制作を依頼し、2007(平成19)年6月に作業をスタートした。
 高田さんが作った読み札の俳句に合わせて、高橋さんが、運河や寿司、日本酒、菓子、文学者などの題材をスケッチ。下絵をつくり、切り残す部分をどこでつなげるかなどを考えて、薄い紙と筆ペンで図案をおこし、デザインナイフで切り抜き、水彩絵の具で色をつけて一枚一枚丁寧に作り上げた。同年末に初稿が完成し、町内会などの行事で使用、2008(平成20)年には作品展を開催した。
 町内会の行事や作品展などで好評を得たことから、本格的なカルタ発行へと動き出した。読み札を読みやすいものに工夫・修正し、これに伴って絵札の変更も行った。絵札と読み札のほか、64枚の札で扱った小樽の風物についての解説も作った。文章は大人向けとなっているが、子供でも読めるようにとすべてにふりがなを振っている。また、64枚のうち3枚の読み札が空欄となっており、「絵札に合わせてオリジナルの読み札づくりに挑戦してもらいたい」(高田さん)と話している。
 「小樽切り絵カルタ」は、1セット1,500円(税込)。500部限定。市立文学館や博物館、市内書店などで販売している。
 また、市立文学館(色内1)では、1月10日(土)から2月15日(日)まで、このカルタの原画約50点と高橋さんが描いた小樽の坂道と街並みなど14点を展示する企画展「小樽坂の街切り絵展」を開催する。カルタも同時に展示される。入場料:一般300円、高校生・70歳以上の市内在住者150円、小中学生無料。
 企画展開催中の2月7日(土)14:00には、高橋さんによる「切り絵物語 運河は見ていた」(切り絵を見せながらの読み聞かせ)が同館で行われる。問合せ:0134-32-2388