落雁やもろこしの木型、練りきりの押し型、羊羹の型紙、饅頭の焼印など、和菓子職人の小道具約200点が、12月20日(土)から、市総合博物館(手宮1)に展示されている。
工芸菓子は、鳥や花などの立体的な題材を和菓子の材料・技法を使って再現したもの。江戸時代に上方や江戸で作られた落雁細工などを美しく盛り付けた「献上菓子」「飾り菓子」が原型と考えられているという。
北海道の玄関口として栄え、人や物資が集まる経済都市となった小樽には、伝統的な技術や文化が持ち込まれた。1872(明治5)年頃に、現在の若松町(金曇町)に菓子店が開業し、その後、明治20年代までに、10を超える菓子店が営業を開始。繊細な工芸菓子の技術は小樽に根付き、道内全域へ菓子や材料を卸す製菓卸商も増えた。
同館の企画展「お菓子と木型~和菓子職人の小道具」では、小樽の和菓子職人が使っていた木型を中心に、小樽の菓子文化を支えた職人たちの技術を紹介している。
最中の金型や羊羹の型紙、しおがまなど、普段目にすることが出来ない、伝統工芸を作り出す道具がずらりと並んでいる。
中には、今年5月逝去した北海道菓子工業組合小樽支部長で、昨年14年ぶりに小樽菓子まつりを復活させた「つくし牧田」の牧田稔さんの精巧な作品の数々も展示されている。甘~い砂糖や餡などで作った本物とそっくりなリンゴや柿、桃、アスパラガスの食材をはじめ、八百屋や魚屋を並べた昭和の風景などが飾られている。
企画展では、来年1月12日(月・祝)14:00~16:00、和菓子づくりを体験出来る講座「親子でチャレンジ・和菓子づくり」を開催する。材料費1,500円と入館料:大人300円、高校生と70歳以上の市内在住者150円、中学生以下無料。申し込みは、1月4日まで。0134-33-2523
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