市消防本部は、札幌など全国各地で起こっている産婦人科患者の受け入れ拒否の問題で、市内では1件目の病院に断られたケースが、2007(平成19)年・2008(平成20)年の2年で3事例あったことを明らかにした。
市内での産婦人科搬送は、2007(平成19)年63件(1月~12月・転院搬送含)、2008(平成20)年(10月末現在)53件。このうち、1件目の病院に断られたケースは、3事例。2件が市内の産婦人科を受診したことがない妊婦で、1件が市外の患者だった。2007(平成19)年の1件は、市内で産婦人科を持つ2病院(小樽協会病院とおたるレディースクリニック)で「手術中」や「処置困難」などの理由で断られ、4件目の札幌の病院に搬送されたという。
「札幌には、産婦人科がたくさんあるが、小樽には、2ヶ所の病院しかない。受け入れる病院がいっぱいあれば、市民にとっては良いことだが、ちゃんと病院に通って受診していれば、選択する病院は2つしかないのでたらい回しのようなことにはならないと思う。ただ、今回問題となっている事例は、初診の妊婦さんの受け入れが難しいということなので、市内で受け入れられない場合のため、札幌の医療機関と調整して、すみやかに対処するための態勢を構築したい」(市消防本部警防課)としている。
小樽協会病院では、「当院が受け持っている患者さんは、当然受け入れている」としている。