「小樽運河を守る会」元会長峯山冨美さん(94)の日本建築学会文化賞受賞を記念するシンポジウムが、11月7日(金)15:00~18:30、小樽市民センター・マリンホール(色内2)で開催された。
2部構成のシンポジウム「小樽運河と石造倉庫群の保存運動から何を受け継ぐか」は、日本建築学会北海道支部と日本都市計画学会北海道支部の主催。
第1部では、峯山さんの講演「保存運動が遺したもの」のほか、堀川三郎・法政大学社会学部教授の基調報告「保存運動の経過と成果」が行われた。
峯山さんは、運河保存運動を振り返り、「運河保存運動は、これで終わったとは思っていない。この街の繁栄には運河があり、斜陽の街になったときには運河にヘドロがたまったと話題になり、観光の街になった今でも運河が関連している。これからも、私達は、運河とともに生きていくだろう。
運河保存で一番辛かったことは、昭和58年11月12日の運河の杭打ち。杭が埋められていく中、私達は、橋の上で゜止めて゜と訴えたが、作業員は表情ひとつ変えなかった。でも、運河に杭は打たれても、私達の心には杭は打たせないと頑張った。
嬉しかったことは、小中高生と運河保存運動を通して交流出来たこと。小学生と話したり、高校生が取材に来てくれたり嬉しかった。
運河の保存運動は、小樽を2分するまでに高まった。こんなに盛り上がる街はない。小樽はそれをやった。小樽には、底力があると信じている。みんなの力で街づくりを行って、楽しく、充実した生活が出来るようにしなければいけない。今を生きる私達に出来ることは、過去の遺産を残して、次世代に残すこと」と、目に涙をためながら訴えていた。
第2部では、「まちづくりの展望…受け継ぐべきもの」と題したパネルディスカッションが行われた。
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