財政・病院問題を質疑 第3回定例会・代表質問2日目


 小樽市議会第3回定例会は、17日(水)13:00から本会議を開き、会派代表質問を続行した。
 2日目の代表質問には、秋元智憲(公明党)・斎藤博行(民主・市民連合)・成田祐樹(平成会)の3議員が立ち、財政と病院問題について論議が集中した。
sato.jpg 公明党の秋元議員は、財政問題で 「病院事業会計の資金不足比率41.7%で、経営健全化基準を21.7ポイントもオーバーした事についてはどのように考えているか」と質問。
 山田勝麿市長は、「今回、このように各比率が明らかになったことにより、本格的な法の適用となります平成20年度に向けて一定の目安が出来たとは思っておりますが、実質赤字があること自体、健全な姿ではありませんし、連結実質赤字額も依然として多額でありますので、今後の健全化に向けて決して楽観できる状況にはないと思っております。また、病院事業会計の資金不足比率につきましては、過去の不良債務があるため、19年度では、経営健全化基準を大幅に上回ることとなりますが、今後の病院事業改革の取組みの中で、できるだけ早期に改善が図られるよう努力してまいりたい」と答弁。
 病院問題では 「今年度も医師が退職することで歳入にも大きく影響することが懸念されている。医師退職に伴う歳入への影響はどれくらいを見込んでいるか、また、改革プラン策定への影響は」と質した。
 市長は、「内科、皮膚科の医師3名の退職の影響は、入院・外来収益合わせて約3億5,000万円程度、収支にいたしますと約2億円の影響があると思われる。改革プランへの影響ですが、皮膚科については新年度の補充を期待しているが、呼吸器医師の補充がこのまま出来ない状態が続くと、収支計画に大きな影響が出てくると言わざるを得ません。そのためより一層の経営改善努力は行ってまいりますが、後任の医師の補充に全力をあげて取り組んでいく」と答えた。
 また、「再編ネットワーク化についてはこれまで、どのような検討、話し合いがされてきたのか。どういう課題、問題があるのか。平成20年度中に話し合いがまとまるのか、それとも、後日改訂版により平成25年度までの実現の方向で考えているのか。(地方公営企業法の全部適用)の事業管理者をいつぐらいを目処に人選するのか。移行の時期は。もし、全適が上手くいかなかった場合は、地方独立行政法人化もありうるとの話も伺っているが、ガイドラインによればあくまでも非公務員型ということだが、市長のお考えを」と質問。
 市長は、「再編ネットワーク化協議会では、これまで4回の協議会を開催し、小樽市の医療の現状や課題について、資料を基に協議を行い、現在の市立病院の現状と課題についても説明をし意見を頂いたと聞いている。短期間で結論を出せる問題ではないため、今後、概ね1年をかけて、引き続き協議をお願いしたいと考えている。これまで協議した内容については、まとまりましたら、近いうちに中間報告をいただけると聞いている、全部適用の導入は、平成21年4月1日を予定している。管理者の人選については、鋭意進めており、何とか年内を目処に決定したいと考えている。効果が得られない場合には、独立行政法人化も検討する必要があると思いますが、導入する場合には、非公務員型になるものと考えている」と答弁した。
sato.jpg  民主・市民連合の斎藤議員は、病院問題で 「資金不足比率の健全化判断比率の20.0%をクリアするためには、約35億9,000万円の資金不足額を19億2,000万円に圧縮しなければならないところですが、平成19年度の病院の収支、更には平成20年度の前半を見るとき、大変困難なことのように思う。市長は、どのように対処しようと考えているか」と質問。
 市長は、「病院事業が抱える不良債務は多額で、健全化判断比率を下回ることは困難でありますので、現在北海道と協議中の公立病院特例債の導入も図りながら、平成20年決算において基準を下回るよう努力して参りたい」と答弁。
 また、結核病棟の休止に対して 「後志唯一の結核病棟の休止で、患者の受入れを札幌にお願いするというだけで、急遽入院が必要になるとかの問題を賄うことが出来るのか」と質問。
 市立病院の吉川勝久事務局長は、「結核にかかったら全部入院するというわけではない。当然通院で治される人もいる。年に数十件、月に2件あると思うが、後志では小樽だけですので、起きたら小樽に来ていたが、その分が札幌にシフトするということ。小樽でも、市内からは遠くなるが、搬送するということで、保健所と病院とどういう手段で搬送するか検討している。樽病としても、後志管内でうちだけですのでなんとか維持したいので、担当出来る医師を確保して再開したいが、現状は出来ないので、札幌の方に依頼する」と答えた。
sato.jpg  平成会の成田議員は、市立病院について 「来年度に地方公営企業方の全部適用を導入するとしているが、全国的に全適の病院であっても黒字で運営されているところは非常に少なく、その後追いをする必要性があるのか。給与体系を民間並みにする非公務員型の独法化であると思うが、これを本市が導入できない理由の大きなものは何か。病院事業を民営化するとなると、病院関係者の退職給与に関わる費用はどのくらいの見積もりとなるか」と質問。
 市長は、「ガイドライン以前から全適導入の作業を進めてきたということもありますが、特に非公務員型の地方独立行政法人化については、財産的基礎を有しなければならないとされ、病院事業では、多額の不良債務を一般会計で背負う必要が生じますので、本市の財政状況を考えますと、この経営形態の選択は、現状では無理だと思う。民営化した場合の退職手当ての見込みは、異動可能な事務職員を除いた概算では、約40億円が必要となる」と答弁。
 また、「18億円の特例債の発行について、この償還には病院会計の黒字分から7年間の償還となっている。その自力で返済を条件に特例債の発行をするとしているが、本市の病院が今後毎年2億6,000万円の黒字を生み出せるとは到底思えないし、発行も出来ると思えない。それでも18億円発行可能であるという説明を」と質した。
 吉川事務局長は、「ガイドラインに基づいて計画を策定しているので、道と協議して、病院事業会計と一般会計を合わせた中で、どうやって償還出来るか、そこをどう見られるかとなっている」と答えた。
 18日(木)の一般質問は、17:00からの夜間議会となる。質問者は、中島麗子 (日本共産党)、高橋克幸(公明党)、鈴木喜明(自由民主党)、大橋 一弘(平成会)、佐々木勝利(民主党・市民連合)の5議員。
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