小樽グランドホテル向かいにある太洋市場(花園1-4)で、最後まで残って営業していた青果店と鮮魚店が揃って移転し、同市場は30年の歴史に幕を閉じることになった。
太洋市場は、鉄骨6階建のビルの1階にある。2階は飲食店が入居していたが、今は空き店舗となっており、3階以上はマンションとなっている。
30年前に新築したビルには、青果・鮮魚・精肉・揚物・漬物・乾物など9店舗が入り、周辺の台所として賑わってきた。しかし、その後、店舗の2代目・3代目の後継者がないなどで、撤退する店が相次いだ。
2002(平成14)年には、残る店舗が3店となった。その後、かに専門店や鮮魚店などが入り、5店舗までになっていたが、客足が遠退いたこともあり、営業を止めて相次ぎ撤退した。その後は、鹿島青果店と魚善の2店が今年8月まで残って営業をしていた。しかし、歯抜けになった市場内では、営業が難しくなり、2店舗は共同で寿司屋通りの政寿司の並びに9月5日に店舗を移した。
このため、太洋市場は、同ビルでの30年の歴史に幕を閉じた。同ビル以前の太洋市場の発足時期は不明だが、木造建物3棟に20数店が入り、1950年代中頃には大いに賑わっていたという。30年前にビルが新築され、9店舗で営業が始まり、2008(平成20)年には、わずか2店舗で営業していた。
「私が小さい頃は、木造の建物で、魚屋さんや八百屋さんがいっぱい並んでいて、人の流れがすごかった。後継者がいなくて止めると聞いた。仕方ないわね」(付近商店主)と話していた。
移転した鹿島商店は、「こちらに9月5日から移転したが、上の店まで上がってこなかった昔馴染みのお客さんが寄ってくれて、商売の手応えを感じている。歯抜けで薄暗かった市場から引っ越してかえって良かった」と移転を喜んでいた。
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