特別展「ピリカ・モシリ 現代に生きるアイヌ工芸」開催中の小樽市総合博物館(手宮1)に、小樽市民から、高島地区採集の貴重なアイヌ衣装が寄贈された。
寄贈されたアイヌ衣装は、明治中期、高島地区で暮らしていたアイヌ人から和人がもらったものという。少なくても100年以上が経過しており、素材は、道央地区では極めて珍しいイラクサを使用し、おくみがあり和服風に作られている。
特別展を訪れた市民が、「博物館で保管して、このように展示してくれるなら」と、7日(日)に寄贈した。
石川直章学芸員は、「高島のアイヌ人が、和人向けに作ってあげたのかもしれないし、和人がリクエストでおくみをつけてくれと頼んだのかもしれないが、今の段階では分からない」。同館が所有する100点を超えるアイヌ資料の中にもなく、現存する資料で、小樽地区と特定できる希少なものという。
この貴重なアイヌ衣装は、9月13日(金)から、開催中の特別展会場で展示される。「ここからが研究の始まり。小樽のアイヌ文化は、形に残っておらず、ほとんどが地名しか残っていない。この資料を展示することで、色々な人に見てもらって、これにまつわる歴史を調べていきたい」としている。
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