小樽市鰊御殿移設50周年記念の講演会「祝津の歴史的建造物を残すために」(祝津たなげ会主催)が、9月7日(日)18:00から、同所1階大広間で行われた。
8月30日から行われてきた記念行事最終日の講演会には、祝津の歴史的建造物の調査を進める北海道職業能力開発大学校の駒木定正助教授が立った。
祝津の地域住民や観光事業者など約40人が集まり、「祝津に残る歴史的建造物の調査と現状」、「寿都 泊村の現状」、「未来に残す文化遺産として」の講演に耳を傾けた。
駒木さんは、昨年学生とともに調査し作成した立面図や資料を示しながら「ニシン漁場の各種建築が残っているのは唯一祝津だけであり、北海道繁栄の契機をつくったニシン漁を物語る貴重な財産。調査では、祝津地区には45棟の建物があり、このうち木造33棟・木骨石造11棟・石造1棟・土蔵造1棟となっていることが分かった」と説明。
調査した45棟の建物の中で、建築年や構造などが判明しているのが15棟で、残り30棟は不明という。「これだけの建物があることがすごい。調査することで、改めてすごい地区なんだなと思った。しかし、これらの建物は維持管理が悪く、近いうちに解体、取り壊しがされそうだ。今回調査した結果、どの建物も補修すれば使えるものばかりで、まだ利用価値はあると思う。これらの貴重な遺構が多くある祝津の町をこれからも大切にし、祝津の歴史を残していきたい」と語った。
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