市立小樽美術館(色内1)の市民ギャラリーで、小樽出身の画家・小川豊さんと横山文代さんの2人の個展が、20日(水)から同時に開かれている。
小川さん(28)は、視覚・聴覚障害を持ちながら道展で佳作に選ばれた若手画家。今年3月に北翔大学大学院研究生を卒業したことを機に、初の個展を開いた。
3歳から絵画に興味を持ち、高等聾学校在学中に本格的な美術活動を始めた。北海道浅井学園大学在学中に、具象画から抽象画に転向し、現在に至る。今回の展覧会には、抽象画を描き始めたころから道展佳作作品までの18点を展示。木目やマツボックリの表面を創造させる“もく”シリーズや、初期の頃の“黙”の迫力ある作品が並び、独創的な世界観が広がっている。
小川さんは、「僕の心の形、自画像でもある作品と会話をしてもらい、色々なことを感じてもらいたい。研究生を卒業した記念に個展を開いたが、今後は、小樽から世界に発信出来る作品を描きたい。小樽から離れる人が多いので、小樽に住んで小樽の文化を盛り上げたい」 と話している。
一方、少女漫画家・イラストレーターとして多彩に活動する横山さんの個展には、後志管内各地の夏の風景を描いた写実作品18点が飾られている。横山さんは、小学生時代には、児童絵画コンクールに入選、入賞。高校卒業後は、週刊マーガレット専属漫画家としてプロの道へ。
展示されている作品のモチーフは、青空が広がる景色や清清しい水面を描いたものが多く、心癒される優しい空間となっている。
両展とも、24日(日)10:00~18:00(最終日17:00)まで。入場無料。