小樽市立西陵中学校(富岡2・佐藤薫校長・186名)の3年生64人が、朝の読書や休み時間に読んで「おもしろかった」、「感動した」本の紹介カードを作成した。25日(金)から、JR小樽駅前・長崎屋1階のいろは堂書店(稲穂2)で飾られ、市民が本を選ぶためのガイドとして活用される。
同校では、2003(平成15)年から読書指導を推進している。総合的な学習の時間で行っている活動は、多方面から注目されている。この結果、「生徒の読書量も全国平均を上回り、学力等にも反映された」 (同校) という。
今回、3年生64人が、「中学生がどんな本を読み、何を感じたかを広く一般の方々にも知ってもらいたい」 と、実際に読んだ本の紹介カード(ポップ)を作成。25日(金)から8月15日(金)まで同書店で使用されることになった。
終業式を終えた生徒たちは、25日(金)11:00から、書店でポップの飾りつけ作業を始めた。店員から本の並べ方やポップの飾り方を教わりながら、黙々と作業を続けた。生徒が作成したポップは、色鉛筆や蛍光マジックペンなどで明るく目立つものが多かった。
「いよいよ完結!デルトラクエストⅢ4。のこる歌姫のありかはデルとわかり、リーブたちは急いで向かい歌姫を探す。その後の結末は?」。「金髪の若き熱血教師!!5年3組リョウタ組。金髪にガイコツのネックレス・・・年上先生のうけは悪いリョウタが様々な問題を解決していく!!」 などと、紹介文も購買意欲をそそるものばかり。
「自分は野球部なので、ピッチャーとキャッチャーの友情物語の本を読んだ。ぜひ、バッテリーの友情の場面を読んでもらいたい」 (岡卓希くん)。「本を読むとイメージが出来るので、そのイメージのまま紹介文を書いたので、簡単だった」 (藤田將文くん)。「熱血教師が、生徒に対して頑張ってくれるところを読んで感動した。ぜひ、この本を読んで感動してもらいたい」 (松本郁子さん) と、熱心にポップ貼りをしていた。
学校図書館担当の森万喜子教諭は、「作ったポップを学校の図書館で飾るよりも、世の中に出す方が生徒も喜ぶし、学校と地域の結びつきにもなる。これからは、このようなイベントだけではなく、生徒たちが、面白い本を読んだ時にポップを作って、書店で飾ってもらえるようにしたい」 と話していた。
書店の清水仁代表取締役は、「子供が作ったポップの紹介文を読んだが、新鮮だ。ポップの描き方や飾り方など、逆に教えられてしまった。本の間にポップを挟むのが新鮮だね。今度、書店の研究会があるので、この活動を報告しようと思っている。全道の書店に広めようと思う」 と感動の様子だった。