絶好の漁業日和をよそに、15日(火)、全国一斉休漁に合わせ、小樽・後志・石狩地区の漁民たちが、経営危機を訴えるデモ行進を市内中心部で行った。
世界的な原油価格高騰を受け、全国の漁業者たちは、「この窮状を政府及び国民の皆さんに訴え、理解を得るため」(全国漁業用燃油緊急対策会議)と、15日(火)に、全国一斉休漁を実施。休漁は、15日(火)0:00~24:00の24時間。
これにより、道内では、ウニ・アワビ・ナマコ・天然昆布などの採貝藻漁業7,260隻、各種刺網・釣・かご漁業などの漁船漁業4,370隻、定置漁業470隻、養殖漁業2,110隻の全道で計14,210隻が一斉休漁となった。
市内では、「小樽地区漁民集会」が、11:00から小樽水産ビル3階(港町)で開かれ、小樽・後志・石狩の約200人の漁業者たちが、原油高騰に苦しむ実態を訴えた。主催者の小樽地区漁業協同組合長会の中島剛隆会長や後志支庁産業振興部・中村雅彦部長らが挨拶した。
えびかごやいか釣り漁の協議会の代表者は、「私たちは、誇りを持って、漁業に従事してきた。原油高騰のかつてない事態に遭遇し、私たちは為す術もなく、生死の間を彷徨っている。マネーゲームに翻弄され、この怒りはどこにぶつければ良いのか」 と強く訴えた。小樽市漁業協同組合の岩木剛代表理事組合長が、「わが国漁業を存続させ水産食料の安定供給を図るため、燃油価格の高騰に対する必要な補てん措置を講ずること」 などを政府・国会に求める決議文の採択を行った。
この後、「漁業経営危機突破」 と書かれた赤いハチマキをした漁業者たちは、各船の旗などを掲げながら、「燃料価格暴騰から食料・漁民を守れー」、「漁に出られる政策を確立せよー」、「水産食料の安定供給に責任を果たせー」 と、シュプレヒコールを大きく響かせ、小樽運河中央橋からJR小樽駅前までの中央通りを上った。JR小樽駅前交差点の歩道橋には、ずらりと参加者たちが並び、市民に漁民の窮状をアピールした。
この日の一斉休漁に伴い、高島・祝津・塩谷などの漁港には、休漁した漁船が岸壁にずらりと並んでいた。
「この休漁で、小樽市内での水揚げ価格(取扱高)約2,000万円が無くなり、大きな影響となった」(小樽市漁組)。デモ行進に参加した漁師たちは、「1日休むことで大きな影響になる。かなりの打撃になる。今日は、天気が良く、凪だから、絶好の漁日和だが、みんなが一斉に休漁してアピールすることが必要」 と話していた。