自治体病院の経営危険度ランキングで、小樽市の市立小樽病院・第二病院が、全国でワースト4位、全道でワースト1位にランクされた。
これは、「週刊ダイヤモンド」6月14日号の「病院格付け」特集で、自治体別病院の経営危険度で掲載したランキングから明らかになった。
この自治体別病院の経営危険度ランキングは、2006年度地方公営企業年鑑に基づき作成されたもので、全国ワースト1位の青森県(むつ総合病院ほか3病院)、2位の大阪市(総合医療センターほか3病院)、3位の神戸市(中央市民病院・西市民病院)に次いで、小樽市(市立小樽病院・第二病院)がワースト4位につけた。
小樽市の指標は、一時借入金が49億5,000万円で、経常収支比率は101.6%でワースト4位となった。経常収支比率は、70~80%が適正値で、100%を超えると危険的状況という。全国のワースト4位は、全道では、赤平市(赤平総合病院)を抜き、ワースト1位となっている。
同時に、北海道の現地ルポも載せられ、夕張市とともに小樽市も取り上げられた。「小樽の“暴走市長”に総務省が待った」 の見出しの下、小樽市立病院の危機的状況が語られている。
小樽市は、これまで、築港地区での巨額の豪華新病院建設に邁進していたが、国の公立病院改革ガイドラインで、新病院建設を中断し、現病院の改革プラン作成へと方針転換を図った。しかし、巨額の累積赤字を抱える中、患者数の減少もあり、病院の経営状態は危機的状況にある。
この病院の累積赤字を減らすために、市は、一般会計からの繰出で穴埋めをしている。この費用の一部は、職員のボーナス削減の約5億円を充てている。市長や幹部職員の“暴走”で、新病院計画の頓挫のツケを一般職員に負わせている格好で、市職員からも怨嗟の声が上がっている。
全道ワースト1・全国ワースト4のランク付けは、小樽市病院事業会計のその後の経営状況を見ても、好転する兆しは一向に見えず、さらに悪化する気配で、ワースト度がさらに深まる様相だ。
◎週刊ダイヤモンド 08年6月14日号