全国各地の蜃気楼の研究発表! 


sinkirokenkyu2.jpg 小樽をはじめ全国各地の蜃気楼の研究を発表する「平成20年度 日本蜃気楼協議会小樽大会 研究発表会」が、6月15(日)9:30~14:30、小樽市総合博物館(手宮1)で行われた。
 この研究発表会は、例年、富山県で開催されているが、今年は、同館で開催中の特別展「蜃気楼の神秘を探る」に併せて、小樽で行われた。大阪、福島、富山など全国各地の研究者たちが集まり、各地で観測された蜃気楼について発表した。
 研究発表は、「大阪湾における四角い太陽」(大阪市立科学館・長谷川能三氏)、「2008年猪苗代湖の上位蜃気楼発生状況」(北海道東北蜃気楼研究会・星弘文氏)、「楽しもう!『高島おばけ』との遭遇」(北海道東北蜃気楼研究会・柴田進氏)などが行われた。
sinkirokenkyu1.jpg 小樽の蜃気楼・高島おばけについて発表した柴田進氏は、「江戸時代末期から知られ、毎年、大きなものが数回発生しているが、地元では観光資源としてさえ活用されていない。新たな観光の目玉や地域振興の一つとして活用できるのではないか」 と、撮影した高島おばけの静止画・動画をスクリーンに映してアピールした。また、「出会えるか?幻の『高島おばけ』」や「見逃すな!春になったら『高島おばけ』」 などのキャッチフレーズも披露した。 動画
 市総合博物館の大鐘卓哉学芸員は、改良した蜃気楼発生実験装置の紹介を行った。同装置は、暖かい空気と冷たい空気の境界で光の屈折を利用して蜃気楼を発生させるもので、2002(平成14)年に開発されていた。今回の改良は、ヒーターの長さを0.4mに短くし、風を効率的に送ることでヒーターの温度を約50℃に下げた。さらに、スイッチ操作で、風を止めたり強くしたりして、様々な蜃気楼の変化が観察できるようになった。 関連記事
 「今回の目標であった可搬性と安全性について改良することが出来た。しかし、まだ改良の余地は残されている。今後、運用や検証実験を重ね、さらなる改良を行っていく」 と語った。また、6月3日、石狩湾で 発生した上位蜃気楼についての報告も行った。 関連記事
 北海道東北蜃気楼研究会