榎本武揚の没後100周年記念事業の一つ、特別展「榎本武揚と歴史小説」・記念書道展が、6月14日(土)から、市立小樽文学館(色内1)で始まった。
特別展では、榎本武揚をはじめとする幕末維新期の群像を描いた安部公房「榎本武揚」、司馬遼太郎「燃えよ剣」、佐々木譲「武揚伝」などの歴史小説や資料100点を紹介している。
榎本武揚が、軍艦を引きつれて江戸を去る時に出したという“決別状”が展示されている。「天が捨てなかったらめでたく拝顔の機会もあるでしょうが、そうでなければ天命でしょう」と書かれ、実質的な遺書であったという。この文書は、これまで行方不明だったが、1年前に発見され、今回、同館が借用して展示した。「行方不明になっていたものが見つかり、展示できることになった。まさにその時歴史が動いたもののひとつ」 (玉川薫副館長)。
また、獄中で書かれたメモも初展示されている。榎本武揚が、海外で学んだことを活かし、これからの日本の産業のことを考え、石鹸の作り方などを記したものが並んでいる。武揚が描いた絵もあり、関係者たちの興味をそそっている。
記念書道展では、書道家や小中学生などが、武揚の詩文などを書いた作品約120点が展示されている。
このほか、記念事業では、20日(金)~23日(日)の龍宮神社例大祭に併せて、神社境内でのパネル展、記念祭、維新パレード、仮装コンテスト、講演会、親子製作体験などが実施される。また、イベント会場を結んだスタンプラリーも行われる。記念祭・仮装コンテスト・文学展書道展・講演会の4ヵ所を巡った人には、記念品が贈呈される。
特別展「榎本武揚と歴史小説」・記念書道展は、7月6日(日)まで。一般300円、高校生・70歳以上の市内在住者150円、中学生以下無料 。
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