小樽ビールを配達する“ドンケル君”馬車が追突事故に遭ってから、約1年。馬車の修理が終わり、新しい御者を迎え、現在、市内各観光施設を巡る試験運転を実施中だ。
追突事故は、2007年6月、道道小樽港線沿いの日産自動車販売店前で発生。後ろから軽自動車に追突され、馬車と車が横転。当時の御者(72)が下敷きになり、胸などを骨折する重傷を負った。“ドンケル君”にケガはなかったが、馬車の後部が壊れた。
馬車の修理は、小樽職人の会メンバーらが力を合わせて行った。走行は可能になったものの、御者のケガは回復したが、体調不良や高齢であることから引退することになった。このため、御者と同じ出身地の長沼で農園を経営する谷口清美さん(24)が、後継者となった。子供の頃から馬には接しているが、街中での走行に慣れるため、今年5月7日(水)から試験運転を始めている。
“ドンケル君”馬車は、午前中、小樽運河や堺町周辺を休み休み走行している。馬車の横には、小樽ビール職員が並行して歩き、見守っている。
佐藤裕正イベントマネージャーは、「馬車の車輪にまだ不具合があり、現在、市内か、国内か、製造元のドイツか、どこで修理出来るのか探っている。調べたところ、日本では、木の車輪をつくる技術者がいないらしいので、ドイツに運ぶとなると大変。今は、試験運転を毎日行っているが、この馬車の状態がしっかりしないと、ビールを配達するための本格運行は出来ない」 と頭を悩ませていた。
市内観光関係者たちは、観光客の人気者“ドンケル君”が、小樽ビールとともに黄色の旗を背負って、運河や堺町通りを元気に歩く姿を待ち望んでいる。
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