小樽市病院事業会計の2008(平成20)年度当初予算が、わずか4ヶ月で大きく破綻したことが、9月16日(火)に開かれた市議会本会議で明らかになった。
開会中の第3回定例会の16日(火)の会派代表質問の中で、病院事業会計の4月から7月までの4ヶ月の医業収益の数字が、市長の口から明らかにされた。
市長は、「入院収益では18億387万9,000円 外来収益では9億5,622万6,000円となっています。これは、昨年同時期と比較しますと入院収益では1,772万2,000円下回り、外来収益では798万3,000円上回って、合計で973万9,000円の減収となっている。当初予算の4か月分との比較では、入院収益では7,224万1,000円、外来収益では3,966万円、合計で1億1,190万1,000円それぞれ下回る結果となっております」と答弁した。
今年度4~7月
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同昨年度比
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同当初予算比
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入院収益 |
18億0,387万9,000円
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△1,772万2,000円
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△7,224万1,000円
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外来収益 |
9億5,622万6,000円
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798万3,000円
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△3,966万0,000円
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計
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27億6,010万5,000円
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△973万9,000円
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△1億1,190万1,000円
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市の当初予算では、年間で入院収益6,300万円・外来収益2,400万円の計8,700万円の増と弾いていた。これは、入院患者が1日平均4人・年間1,073人増、外来患者が1日平均3人・年間2,415人減と見込んでいた。こちら
市立病院は、患者や医師の減少で、2008(平成20)年度もさらに収益が悪化するのが自明の理なのに、収益がプラスに転じるという驚くべき机上のマジックを駆使した病院会計となっていた。
年間8,700万円の収益増と弾いていた当初予算は、わずか4ヶ月の数字で、1億1,000万円減と、見事にマイナスの数字が突きつけられた。まさに、市の病院会計当初予算は、市長の“取らぬ狸の皮算用予算”であったことが明らかになった。
これにさらに、医師の退職で、9月からは呼吸器内科の休止もあり、収益はさらに悪化の一途を辿ることになる。市長は、医師の退職で2億円の減になると答弁している。この数字が加わると、市の病院会計は、さらにニッチモサッチモいかぬ惨状を呈することになる。
市の病院会計の悪化する状況は、直ちに市の一般会計に連動し、早期健全化基準の連結実質赤字比率に跳ね返ることになる。
誰が見ても、到底、達成不可能な数字を羅列して編成した当初予算をすんなりと通過させた市議会与党の責任も極めて重い。
病院会計の見通しの甘さというより、市民を欺く予算編成に、現実の数字が、市長と与党の思惑を打ち砕いた格好となった。
こんな“市長の病院”には、市民の患者と医師・看護師がソッポを向けており、病院会計の破綻で、まさに市立病院崩壊への序曲が響き始めた。
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