小樽市総合博物館の学芸員たちが交代で講座を開いていく“学芸員リレー講座”が、8月23日(土)13:30~15:00、同館研究室で開かれた。
この日の講座は、佐藤卓司学芸員が、来年100歳を迎える長老蒸気機関車「アイアンホース号」を記念し、「100年前の蒸気機関車」を紹介した。
約20人の鉄道ファンが耳を傾ける中、100年前の日本・北海道・小樽の出来事をはじめ、鉄道事情や蒸気機関車の変遷、アイアンホース号の概要・経歴、アメリカから小樽に到着するまでの経緯を話した。
「アイアンホース号は、アメリカ合衆国のH・K・ポーター社が1909(明治42)年12月に製造の機関車で、全長6.80×全幅2.18×全高2.90m、軽油または再製油を燃料とする。
1909(明治42)年に、ユナイテッド・フルーツ・カンパニー(グァテマラ)が納入し、旅客・果物・貨物等を運送した。1959(昭和34)年、カルフォルニアの実業家が購入、1964(昭和39)年、ケーブル・アンド・ノザーン鉄道に売却、アメリカ西部で旅客運送をした。
その後、公有鉄道や遊園地に売却され、1993(平成5)年、小樽交通記念館の開設に伴い、ミネソタ州ヒンクリーから輸送。ポートランド港から東京港に到着、内航船日照丸に積み小樽に運んだ」 と述べ、この輸送の様子を動画で紹介した。 こちら
「アイアンホース号の積み込みの時、前の方をクレーンで吊り、後ろはフォークリフトで持ち上げている。こんな乱暴なやり方でやるのかと驚いた。アメリカらしい。作業員は、ヘルメットさえつけていない」。
最後に、「博物館なので、アイアンホース号を文化的に残していくことが一番長生きさせることだ。現在は、アイアンホース号を遊具として施設内を走らせている。来年、100歳なので、これから、みんなの意見を聞きながら、どうやって祝うか考えたい」 と締めた。
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