小樽病院から内科(呼吸器)が消える!2専門医が退職


naika1.jpg 8月5日(火)午後、市立小樽病院(若松1)の内科受付の掲示板に、「専門医退職のため、9月29日より呼吸器外来を休診いたします」 との「お知らせ」が張り出された。
 小樽病院(樽病)の呼吸器内科は、これまで、専門医2名・内科医1名の3名体制で診療を行っていた。しかし、これまで同科の中核を担っていた中野剛医師が、9月19日で退職することが昨年から明らかになっていた。
 中野医師の退職に伴い、「一人での診療は厳しいものがある」 と、もう一人の専門医・竹藪公洋医師も、9月26日で退職し、道路一つ隔てた協会病院に移籍することになった。この樽病呼吸器内科を支えていた2専門医の退職で、9月26日で外来診療が休止となり、患者も受け入れられなくなった。 内科医師紹介HP 
 医師の退職が相次ぐのは、山田勝麿市長が強引に進めていた新病院建設が中断したことが大きく影響している。老朽化で医療機器の更新もままならず、経営方針も一貫しない市立病院では、医師のモチベーションを保つのも難しく、次々に医師が立ち去っており、診療休止に追い込まれる事態が多発している。
naika2.jpg 樽病ではすでに、産科・小児科・整形外科・内科(消化器)などの医師の退職が続いていた。これに次いで、今回の内科(呼吸器)の2医師の退職で、さらに診療休止が広がり、内科は、消化器だけの片肺飛行を余儀なくされることになった。
 樽病の呼吸器内科は、感冒・気管支炎・気管支喘息・肺炎・肺がんなどに対応しており、市内の開業医からの紹介患者を受け入れていた。市内の呼吸器内科は、これまで樽病が中心的役割を担っており、他の病院では、協会病院に1名の専門医がいるだけだった。
 これが、竹藪医師の協会病院への移籍で、同院の呼吸器内科は、2専門医による新体制がとられることになり、樽病での休止を補うことになった。協会病院では、「竹藪医師が、来ていただけるのは、ありがたい」 (川村院長) としている。
 協会病院は、樽病の産科の休止に伴い、周産期センターとしての役割を担っている。また、今回の呼吸器内科医の受入れで、市内では、同院が、産科に続き、呼吸器内科も一手に引き受けることになった。
naika3.jpg 樽病では、この医師2名の退職で、今秋以降の病院事業収支計画も大きな狂いを生じることになる。「呼吸器の医師を確保出来れば良いが、それが出来ない。道内の呼吸器はどこもひどい状態で、他の病院がゼロになったという話もある。現在、院長が大学と協議しており、医師の確保に努力している。医師数が埋まらなければ、当然、収入は落ち、通年にすると数億単位で違うことになる。しかし、経費をどれだけ落とせるかもあるので、影響はわからない」 (吉川勝久事務局長) と困惑している。
 樽病からの相次ぐ医師の退職で、総合病院としての機能は著しく低下している。医師の退職による診療科の休止・廃止と赤字経営で、市立小樽病院は、確実に崩壊への道を辿っている。
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