ひな祭り“人形感謝祭”


0303.jpg 3日(月)住吉神社で“人形感謝祭”が、9:00から15:00まで行われた。
 日本では縄文〜弥生時代にかけて、人の形をした土偶が祀られていた。人形はそもそも“ヒトガタ”と呼ばれ、人間に代わって災厄を受け、お祓いされる媒体であった。このような風習がなくなった現代において、人形の処分に困る人は多い。
 住吉神社では、平成2年から毎年3月3日のひな祭りの日に“人形感謝祭”が行われ、100人前後の人が不要になった人形を持ち寄る。正月の“どんと焼き”の日と一緒に行わないのは、人形本来の在り方を理解してもらうためだ。人形に関連深い日としては、5月5日も考えられるが、桃が神道では神具としての意義もあることから、桃の節句を選んだそうだ。
 住吉神社の境内には、人形の包みを抱いた人々が、三々五々訪れた。参拝者はそれぞれの思い出の詰まった人形を供えたあと、“振幣の儀”で禰宜の振る鈴からご加護を授かった。静寂の中に張り詰めた空気が流れていた。