石狩湾で上位蜃気楼の調査研究を行っている小樽市総合博物館(手宮1・土屋周三館長)が、6月3日(火)、今年最大規模の蜃気楼を観測した。
観測は、大鐘卓哉学芸員が、3日(火)16:40~18:20、小樽市朝里4丁目の海岸で行った。北海道気象予報士会による蜃気楼発生確率が50%だっため、実施した。
「朝里からみえる石狩湾新港のタンク群が、上位に伸び、反転像がみられた。短時間のうちにその形が様々に変化していった。特に規模が大きかったのは、午後5時18分~6時00分」 という。
石狩湾では、4~6月に上位蜃気楼が発生する。この上位蜃気楼は珍しい現象で、富山湾、オホーツク海、琵琶湖などの限られた地域でしか観測されないタイプ。市博物館では、1998年以上、毎年観測を続けている。1846(弘化3)年に松浦武四郎が小樽沖で高島岬などが蜃気楼になっているのを観測し、「蝦夷日誌」に“高島おばけ”と記している。
大鐘学芸員は、「ここ2、3日は曇りで、すっきり見えなかったが、今回のは肉眼でもはっきり確認できた。6月に観測する蜃気楼としては大きい方で、夕方に大きなものが観測できるのも初めてのこと。今回は初めて尽くし。なぜ、このような現象が起きたのか、これから解析する」 としている。(写真・動画提供:小樽市総合博物館)
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