市立小樽美術館(色内1)で開催中の特別展「中村善策の全貌展」にちなんで、6月2日(月)、市立松ヶ枝中学校の1年生72人が、張碓や奥沢、祝津などの善策の写生地を巡り,、画家が見た小樽風景をスケッチした。
この“中村善策の写生地めぐりとスケッチ”は、同校1年生の鑑賞授業・総合学習「小樽の画家『中村善策』について学ぶ」の一環で行われた。小樽美術館との初の連携事業となった。
72人の生徒たちは、マイクロバスを利用して、張碓の田中さん宅や奥沢水源地、祝津を巡り、美術館学芸員による解説に熱心に耳を傾けた。日本を代表する小樽出身の風景画家について学び、郷土・小樽の素晴らしさを再確認した。
祝津の鰊御殿前では、星田七重学芸員が、「祝津は、画材の宝庫。険しい断崖絶壁とダイナミックな景観があり、絶景です。中村善策は、亡くなるまでの20年間、継続的に描き続けた。晩年の作品に、『小樽の祝津港』があります。作品は、人が描かれていないのに、人の暮らしを感じることが出来る風景画となっている」 と、作品“小樽の祝津港”を紹介しながら解説。
写生地を巡って中村善策を学び、小樽や美術に関心を高めた生徒たちは、中村善策が描いた祝津の風景をスケッチ。たった30分しか時間はなかったが、好みの風景を探し、祝津港の奥に見える断崖絶壁から描き始めたり、祝津港に停泊するヨットから描いたりしていた。思うように描けず、何回も消しゴムで消しては描いてと繰り返す生徒もいた。
後藤葉月さん・菊池真歩さん(12)は、「難しくて上手に描けませんが、一生懸命頑張ります。張碓や奥沢水源地、祝津と3ヵ所巡って勉強したので、美術に関しての興味が出てきました」 と、景色を見つめ、熱心に描いていた。
生徒たちが描いたスケッチは、11月1日(土)から30日(日)まで、美術館1階中村善策記念ホールで、中村善策の作品とともに展示される予定。
また、同校では、今後、「中村善策の全貌展」の鑑賞を行い、「善策さん新聞」を作成して学校祭で掲示することにしている。
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