身内を装ったオレオレ詐欺を未然に防止したとして、小樽警察署(富岡1・京藤由松署長)が、4月22日(火)、株式会社北洋銀行小樽駅前支店(稲穂3)の支店長と従業員に感謝状を贈った。
この振り込め詐欺は、4月11日(金)13:30頃、同支店で発覚。60歳代の女性客が来店し、窓口で270万円の高額な現金を振り込もうとした。対応した従業員・上埜朋子さんが、「受取人が身内であるにも係らず漢字名が分からず、落ち着かない様子だった」 と不審に思い、石川義広支店長に報告した。
支店長は、女性客に振り込み理由を確認したが、「息子から現金を振り込むよう電話があった」 と繰り返すのみだった。受取人との間柄も曖昧で、振り込め詐欺の被害に巻き込まれているのではと判断し、客にもう一度息子に連絡をとって確認するよう説得。しかし、客は同支店の外に出た。
このため、支店長は、「女性客が、携帯に電話するために外に出たが、戻る気配がなく、他店で振り込んでしまっては大変だと思った」 と客を探し、同支店応接室で落ち着かせて繰り返し説得した。同時に警察に通報し、警察が息子に確認した結果、「そのような電話はしていない」 と、詐欺だと判明した。
22日(火)、支店長と従業員の2名が署長室を訪れ、京藤署長が、「あなたは平成20年4月11日北洋銀行小樽駅前支店において高額現金を振り込もうとしている女性客を認めるや積極的な声かけと粘り強い説得によりオレオレ詐欺事件の被害を防止されました」 と感謝状を贈った。
支店長は、「振り込め詐欺だと察知して、すぐに警察に来てもらって対処したので被害を防げた。警察との連携がうまくいった結果」 と話していた。
市内では、今年、オレオレ詐欺事件が多発しており、昨年と比べて2倍以上も発生しているという。
小樽警察署では、「最近の手口は、前日に電話番号が変わったと連絡が来て、次の日に会社の金を使ってしまった、今日返せばクビにならないので振り込んで欲しいということが多い。私は大丈夫と思い込んでいる人ほど、被害にあいやすいので、自分ひとりで判断しないで、誰かに相談して欲しい。電話が変わったと言われたら、まずは、前の番号にかけてもらいたい」 と呼び掛けている。