救急患者が小樽市内から札幌市内の病院へ市外搬送される件数が、ここ数年で倍増する勢いとなっている。
小樽市消防本部(安達栄次郎消防長)によると、2002(平成14)年の小樽市内の救急総件数は5,516件で、このうち、札幌市内の病院に患者を搬送した件数は225件だった。しかし、2007(平成19)年では、6,106件のうち551件も札幌に搬送され、ここ数年間で2倍を超す状況になっている。
この搬送件数の中で、特に、交通事故が8件から47件、労働4件から22件、一般6件から62件、急病5件から181件と急増している。また、一旦市内の病院に運ばれてから札幌に転院する件数も、150件から221件と増えている。
市消防本部では、「小樽市内の病院が収容出来なくて札幌市に運んだとは、一概に言えない。札幌市内の病院にかかりつけになっている人もいるし、銭函では、小樽の病院に運ぶより札幌市内に運んだ方が近いこともある」 としている。
大都市・札幌に隣接する小樽市の医療の宿命からか、病院の札幌依存の傾向が強まっているが、救急患者の市外搬送件数も急増しているのは、救急でも札幌依存が強まっている傾向が伺える。